アイオリス(読み)あいおりす(英語表記)Aiolis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイオリス」の意味・わかりやすい解説

アイオリス
あいおりす
Aiolis

古代アイオリス方言のギリシア人が移住した小アジア北西部の地域。現在はトルコ領。南はスミルナを含んだが、スミルナがイオニア領となってからは、ヘルモス川から北はケブレネーまでの地域を含んだ。紀元前7世紀ごろにはトロアス地方にまで広がった。狭義にはギリシアサモス島の対岸地域、キメーなどの12ポリス(都市国家)の領域をさす。12ポリスの祭祀(さいし)の中心はグリネイオンのアポロン神殿であった。ヘロドトスは、この地は肥沃(ひよく)だと伝えている。

[古山正人]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アイオリス」の意味・わかりやすい解説

アイオリス
Aiolis

小アジア西岸の古代ギリシア植民地中,最北の地域。現トルコ領。まず前 1130~1000年アイオリス方言を語るギリシア人はボイオチアテッサリアを出てレスボス島テネドス島およびトロイとイオニアの間の小アジア本土へ植民。さらに第2群が前7世紀に進出した。前6世紀末ダレイオス1世はアイオリスをアケメネス朝ペルシア帝国のサトラップ領 (属州) の一つとした。

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