アイネム(読み)あいねむ(英語表記)Gottfried von Einem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アイネム」の意味・わかりやすい解説

アイネム
Einem, Gottfried von

[生]1918.1.24. ベルン
[没]1996.7.12. ウィーン近郊
オーストリア作曲家,指揮者。 1941年からベルリン国立歌劇場およびバイロイトのワーグナー祝祭劇場の副指揮者をつとめ,かたわら B.ブラッハーに作曲を学ぶ。のちウィーンを中心に作曲家として活躍した。作品として,G.ビュヒナー戯曲に基づくオペラダントンの死』 (1947) ,カフカ小説に基づくオペラ『審判』 (53) などがあり,その作風は,マーラープッチーニストラビンスキー,ブラッハー,さらにガーシュインら多くの作曲家の影響を融合し,管弦楽的色彩効果にすぐれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイネム」の意味・わかりやすい解説

アイネム
あいねむ
Gottfried von Einem
(1918―1996)

オーストリアの作曲家。スイスのベルン生まれ。バレエ『トゥランドット姫』(1944)で成功した彼は、続く1947年初演の最初のオペラ『ダントンの死』(ビュヒナーの戯曲による)で国際的な評価を得た。さらにカフカの小説に基づく『審判』(1953初演)をはじめ、『引き裂かれた者』(1964)、『老婆の訪問』(1971)、『愛とたくらみ』(1976)などのオペラを発表した。バレエ曲も数曲あるが、作風はいずれも伝統的、保守的である。

[細川周平]

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