ザルツブルク音楽祭(読み)ざるつぶるくおんがくさい(英語表記)Salzburger Festspiel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ザルツブルク音楽祭」の意味・わかりやすい解説

ザルツブルク音楽祭
ざるつぶるくおんがくさい
Salzburger Festspiel

モーツァルトの生地、オーストリアザルツブルクで毎年8月に開催される、音楽を主体とするフェスティバル。その歴史は1877年にさかのぼるが、1920年にウィーンに祝祭劇場協会が設立されてから、毎年恒例の催しとなった。1921年以後モーツァルトの作品によるオーケストラ音楽、室内楽の演奏会、翌年からはオペラ上演が加わり、30年代にはワルタートスカニーニ、E・クライバー、クレンペラーらの大指揮者が登場した。第二次世界大戦中は縮小ないし中止されたが、戦後曲目の拡大、世界の一流管弦楽団の登場、祝祭大劇場の完成(1960)などにより、いっそうの活況を呈している。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団がオーケストラおよびオペラ公演の中心となり、ほかに独唱や室内楽演奏会など多彩な催しが繰り広げられている。

[美山良夫]

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