歴史的には、紀元前16世紀ごろよりきわめて高度な文化を発展させたミケーネ時代のギリシア人の呼称。すでに前14~前12世紀のヒッタイトやエジプトの文書にAiyavā,Ekeshの名称でアカイア人がみいだされるとの説もあるが、さだかでない。ホメロスの叙事詩では、アカイア人という呼称はもっぱらギリシア人の総称の一つとして用いられている。伝説によると、彼らは、ドーリア人の侵入後、一部はレスボス島近辺の小アジア方面やキプロス島などに移住した。歴史時代には、テッサリアの南東部やペロポネソス半島北部の、西はエリス、北東はシキオンの間の地方の住民として知られていた。ギリシアの植民時代(前8~前6世紀)おもに南イタリアに植民し、シバリスやクロトンなどの重要都市を設立した。このほか、彼らは、初期の歴史では大きな役割を果たさなかったが、前3~前2世紀にはアカイア同盟の中心勢力としてギリシア世界で大きな影響力を発揮した。前146年以降、他のギリシア人と同様にローマの支配下に入った。
[真下英信]
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古代のギリシア人の一派で,ギリシア語ではアカイオイAchaioi。ホメロスの詩ではテッサリアの住民からおこったギリシア人一般がこう呼ばれている。前1400-前1200年のヒッタイトやエジプトの碑文に,この名に由来すると思われる種族名が見え,それは当時のギリシア人を指すと考えられている。歴史時代のギリシアではテッサリア南東部とペロポネソスのコリントス湾岸(シキュオンからエリスまで)の住民がこの名で呼ばれ,シュバリス,クロトンなど,南イタリアに植民市を建設した。
執筆者:太田 秀通
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ギリシア人の一派でミケーネ文明を創造した人々の総称。アカイオイ(Achaioi)と呼ばれた。ホメロスではトロヤ攻撃のギリシア人の総称。ドーリア人侵入後はペロポネソス半島北岸山地がアカイアと呼ばれた。
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