アフリカ美術(読み)アフリカびじゅつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフリカ美術」の意味・わかりやすい解説

アフリカ美術
アフリカびじゅつ
African art

アフリカ大陸の美術。エジプト美術とローマやイスラム美術の系統に属するアフロ・ローマンおよびアフロ・イスラム美術は除外する。北アフリカ,特にアトラス山脈,サハラ砂漠,リビア砂漠を中心にした地域には,彩画と線刻画に分別できる岩面絵画が多く残っている。これらは東スペインにつながる,新石器時代カプサ文化 (前 8000~2700) に属する先史美術であり,南アフリカのジンバブエを中心にした地域に多く残っている岩壁画,サン族 (いわゆるブッシュマン) の美術も,この文化を継承する狩猟牧畜民美術である。しかしアフリカ美術で最も魅力に富むのは,諸民族の美術である。これは古代から現在にいたるまで,各民族によって特色を異にし,多種多様である。最も重要なものは人像と仮面であるが,それらは魔法や呪術,宗教と結びついていて,「生命力」を根元的な願望として内在させている。強烈な情熱から発せられる感情が美術品に移入され形象化しているので,それらは大胆な身ぶりと単純なフォルム,そして装飾性を特徴としてもっている。代表的な作例は,バガ族,ドゴン族,バンバラ族の人像を主とした木彫クバ族やバンバラ族の仮面などである。またナイジェリアのサオ,ノク,イフェなどには特殊な文化圏が形成されていて,テラコッタの人頭彫刻遺品がある。特にイフェでは青銅鋳造技術が進んでいて,12世紀頃から青銅のすぐれた人頭彫刻を残している。この技術は,同じくナイジェリアのベナン美術に受継がれ,15~16世紀頃,精巧な細工を施した青銅や鉄製の彫刻が作られている。 20世紀初めに,ピカソら若い芸術家が深く影響を受けたことはキュビスムなどによく示されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アフリカ美術」の意味・わかりやすい解説

アフリカ美術
あふりかびじゅつ

原始美術

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