日本大百科全書(ニッポニカ) 「アマーティ」の意味・わかりやすい解説
アマーティ
あまーてぃ
Amati
イタリアのクレモナで活躍したバイオリン製作者の一族。一族の祖アンドレアAndrea(1505/1510―1577/1580)によって今日のバイオリンの型がつくりだされ、その子アントニオ、ジロラモ兄弟を経て、ジロラモの子ニコラ・アマーティNicola Amati(1596―1684)によって、完全に芸術的なバイオリンが生み出された。ニコラは父祖の作品の長所を統一し、小形だが均整のとれた表情豊かな音色をもつ「大アマーティ」として知られる名器を多数製作した。弟子には巨匠A・ストラディバリをはじめ、A・グアルネリなど多数がおり、クレモナ派を形成し、その影響はミラノ、ナポリ、ボローニャ、ベネチアなどに及んだ。アマーティ家はニコラの子ジロラモをもって終わった。
[今谷和徳]