アルカラデエナレス(その他表記)Alcalá de Henares

デジタル大辞泉 「アルカラデエナレス」の意味・読み・例文・類語

アルカラ‐デ‐エナレス(Alcalá de Henares)

スペインの首都マドリードから東約30キロメートルにある都市。15世紀末、枢機卿シスネロスによって大学都市建設が始まり、16世紀には世界初の4か国対訳聖書が刊行されるなど、キリスト教学術の中心地として発展した。現在も、中心施設の一つであったサンイルデフォンソ学院ほか多数の歴史的建造物が残る。また、セルバンテス生地としても知られている。1998年に「アルカラ‐デ‐エナレスの大学と歴史地区」として世界遺産文化遺産)に登録された。アルカラ‐デ‐エナーレス。

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改訂新版 世界大百科事典 「アルカラデエナレス」の意味・わかりやすい解説

アルカラ・デ・エナレス
Alcalá de Henares

スペイン中央部,マドリード県の都市。人口17万6434(2001)。ローマ時代にはコンプルトゥムと呼ばれ,現在名はイスラム時代のものに由来する。1508年にシスネロスが創設した大学(1836年,マドリードへ移転)には,エラスムスら国内外の人文主義者が迎えられ,《多国語対照聖書》を作成した。1348年,アルフォンソ11世が召集した〈アルカラの議会〉はカスティリャ王権を安定させるのに重要な役割を果たした。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルカラデエナレス」の意味・わかりやすい解説

アルカラデエナレス
Alcalá de Henares

スペイン中部のマドリード自治州,マドリード県の都市。首都マドリードの東北東 30km,エナレス川沿いに位置する。「アルカラ」とはアラビア語で「城」の意。市街は 1000年にムーア人によって破壊され,1038年同じくムーア人によって再建された。アルフォンソ6世が 1088年に征服し,トレド大司教領とした。化学製品,綿製品,香水陶器を産し,アーモンドも有名。 1136年建造の聖フスト聖堂や,ヒメネス・デ・シスネロス枢機卿が 1508年に設立した,聖書編纂で著名な大学の旧校舎があり,1998年世界遺産の文化遺産に登録。セルバンテスフェルナンド1世の生地。人口 15万 9355 (1991推計) 。

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