翻訳|albumin
卵白albumenに由来する言葉で,一群の単純タンパク質の総称である。代表的なものに,動物性アルブミンとして卵(らん)アルブミンegg albumin,血清アルブミンserum albumin,乳アルブミンlacto albuminなど,また植物性としてロイコシンleucosin(コムギ,オオムギ),レグメリンlegumelin(エンドウ,ダイズ)がある。卵アルブミンの大部分はオバルブミンovalbuminと呼ばれ,分子量4万5000のタンパク質であり,これだけで白身中のタンパク質の65%を占める。ニワトリの性ホルモンによりその合成が調節されていることもよく知られている。血清アルブミンは分子量約7万で溶解度が非常に高く,血漿中のタンパク質の60%を占め,血液の生理的機能に重要な役割を果たしている。乳アルブミンは母乳の主要なタンパク質成分である。植物性アルブミンの大豆レグメリンは,にがりにより凝固して豆腐となる。一般にアルブミンはタンパク質としては低分子であり分子量も数万のものが多い。熱変性によって消化されやすくなり良質のタンパク源となる。
執筆者:柳田 充弘
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タンパク質の分類上の一つのグループ。動物のアルブミンには卵白アルブミン、血清アルブミン、乳汁のラクトアルブミンなどがあり、植物のアルブミンにはムギのロイコシン、エンドウのレグメイン、トウゴマのリシンなどがある。アルブミンの定義は、もともと1907年にイギリス生理学会が提案したタンパク質の分類法によっている。これによると、アミノ酸だけで構成される単純タンパク質のうち、水によく溶けるものをアルブミン、水に溶けにくいものをグロブリンと分類した。しかし現在では、アルブミンという分類のなかには、分子量やアミノ酸組成、役割などの異なるさまざまなタンパク質が含まれていることがわかっている。また、代表的なアルブミンの一つである卵白アルブミンは、かつて単純タンパク質と考えられていたが、アミノ酸以外に糖やリン酸を含む複合タンパク質であることも明らかになった。
[笠井献一]
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単純タンパク質の一つ.水および希薄塩溶液,弱酸,アルカリに可溶性のタンパク質の総称.動物,植物界に広く分布し,結晶として得られたものも多い.動物性の卵白アルブミン,α-ラクトアルブミン,血清アルブミン,植物性のロイコシン,グメリン,リミンなどが代表例である.アルブミンのなかには,卵白アルブミンのように研究の進展に伴い,その構成成分としてアミノ酸以外に糖,リン酸などが見いだされているが,慣例上,単純タンパク質とされるものも多い.[CAS 9048-46-8]
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…このときの組織液は比重が低くタンパク質は少ない。(3)血漿の膠質浸透圧の低下 血漿の膠質浸透圧は血漿タンパク質,とくにアルブミンの量に左右され,アルブミンの量が減少すると浸透圧は低くなり水腫がおこる。アルブミンの減少をきたす原因としては摂取の不足と排出過剰とがある。…
…ポリペプチド鎖のみから成るものを単純タンパク質simple protein,他の物質と結合して(非共有結合も含める)存在するものを複合タンパク質conjugated proteinという(表3-(1))。溶媒中の等電点の違いによる分類もあり(表3-(2)),また,アルブミン,グロブリンなどの名は,溶解度によりタンパク質を分類したときの名残りである(表3-(4))。主としてX線解析による成果をもとに,二次構造,三次構造の違いからタンパク質を分類しようとする試みをまとめると表3-(3)のようになる。…
※「アルブミン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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