アルブミン(その他表記)albumin

翻訳|albumin

デジタル大辞泉 「アルブミン」の意味・読み・例文・類語

アルブミン(albumin)

単純たんぱく質で水によく溶けるものの総称。熱やアルコール凝固する。生体に広く含まれ、動物では卵白・血清などに多い。

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精選版 日本国語大辞典 「アルブミン」の意味・読み・例文・類語

アルブミン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] albumin [ドイツ語] Alubmen 「卵白」に由来 ) 単純たんぱく質の一種動植物の組織中に含まれ、比較的分子量が低いので結晶化しやすいが、アルコールや熱によって凝固し変性しやすい。卵アルブミン血清アルブミンレグメリンなどが代表的。たんぱく素。〔新しき用語の泉(1921)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「アルブミン」の意味・わかりやすい解説

アルブミン
albumin

卵白albumenに由来する言葉で,一群の単純タンパク質の総称である。代表的なものに,動物性アルブミンとして卵(らん)アルブミンegg albumin,血清アルブミンserum albumin,乳アルブミンlacto albuminなど,また植物性としてロイコシンleucosin(コムギオオムギ),レグメリンlegumelin(エンドウ,ダイズ)がある。卵アルブミンの大部分はオバルブミンovalbuminと呼ばれ,分子量4万5000のタンパク質であり,これだけで白身中のタンパク質の65%を占める。ニワトリの性ホルモンによりその合成が調節されていることもよく知られている。血清アルブミンは分子量約7万で溶解度が非常に高く,血漿中のタンパク質の60%を占め,血液の生理的機能に重要な役割を果たしている。乳アルブミンは母乳の主要なタンパク質成分である。植物性アルブミンの大豆レグメリンは,にがりにより凝固して豆腐となる。一般にアルブミンはタンパク質としては低分子であり分子量も数万のものが多い。熱変性によって消化されやすくなり良質のタンパク源となる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルブミン」の意味・わかりやすい解説

アルブミン
あるぶみん
albumin

タンパク質の分類上の一つのグループ。動物のアルブミンには卵白アルブミン、血清アルブミン、乳汁のラクトアルブミンなどがあり、植物のアルブミンにはムギのロイコシン、エンドウのレグメイン、トウゴマリシンなどがある。アルブミンの定義は、もともと1907年にイギリス生理学会が提案したタンパク質の分類法によっている。これによると、アミノ酸だけで構成される単純タンパク質のうち、水によく溶けるものをアルブミン、水に溶けにくいものをグロブリンと分類した。しかし現在では、アルブミンという分類のなかには、分子量やアミノ酸組成、役割などの異なるさまざまなタンパク質が含まれていることがわかっている。また、代表的なアルブミンの一つである卵白アルブミンは、かつて単純タンパク質と考えられていたが、アミノ酸以外に糖やリン酸を含む複合タンパク質であることも明らかになった。

[笠井献一]

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百科事典マイペディア 「アルブミン」の意味・わかりやすい解説

アルブミン

グロブリンとともに,大部分の動植物の細胞や組織に広く見出されるタンパク質の一群。語源は卵白に由来。代表的なものに卵白アルブミン,血清アルブミンなどがある。分子量数万以下で,20種の基本アミノ酸のみで構成された単純タンパク質。水に可溶だが,溶液条件のわずかな変化により凝固しやすく,細胞環境と密接に結びついた生理作用を担っているためと考えられる。
→関連項目血漿交換胎児治療

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルブミン」の意味・わかりやすい解説

アルブミン
albumin

単純蛋白質の一種。血清中には約7~8%の蛋白が含まれており,現在,約 100種類が知られているが,アルブミンが最も多く,血清総蛋白の 70%近くを占めている。これらの血清蛋白は体の健康を維持するため,常に体内で合成され続けているが,肝臓や腎臓などの機能障害で体内の代謝に異常が生じると,血液中のその値が変動するので,その測定が疾病の診断に利用されている。ことにアルブミンとグロブリンの比 (A/G比という) の測定は重要で,血清総蛋白の値は正常でも,この比の値が低下したときは,肝臓障害や癌が疑われる。

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化学辞典 第2版 「アルブミン」の解説

アルブミン
アルブミン
albumin

単純タンパク質の一つ.水および希薄塩溶液,弱酸,アルカリに可溶性のタンパク質の総称.動物,植物界に広く分布し,結晶として得られたものも多い.動物性の卵白アルブミン,α-ラクトアルブミン,血清アルブミン,植物性のロイコシン,グメリン,リミンなどが代表例である.アルブミンのなかには,卵白アルブミンのように研究の進展に伴い,その構成成分としてアミノ酸以外に糖,リン酸などが見いだされているが,慣例上,単純タンパク質とされるものも多い.[CAS 9048-46-8]

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栄養・生化学辞典 「アルブミン」の解説

アルブミン

 本来の定義は水に可溶性のタンパク質をいうが,その多くが硫酸アンモニウム半飽和溶液に可溶なタンパク質であることから,これを定義とする場合もある.しばしばグロブリンの対語として使われる.血清アルブミン,オボアルブミン,ラクトアルブミンなど,特定のタンパク質を指す語としても用いられる.

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生活習慣病用語辞典 「アルブミン」の解説

アルブミン

血液中で脂肪酸の運搬にもかかわる、たんぱくの一種です。病気や栄養不良で低値となります。QUPiO では 4.0g/dl 以上を正常値としています。

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世界大百科事典(旧版)内のアルブミンの言及

【水腫】より

…このときの組織液は比重が低くタンパク質は少ない。(3)血漿の膠質浸透圧の低下 血漿の膠質浸透圧は血漿タンパク質,とくにアルブミンの量に左右され,アルブミンの量が減少すると浸透圧は低くなり水腫がおこる。アルブミンの減少をきたす原因としては摂取の不足と排出過剰とがある。…

【タンパク質(蛋白質)】より

…ポリペプチド鎖のみから成るものを単純タンパク質simple protein,他の物質と結合して(非共有結合も含める)存在するものを複合タンパク質conjugated proteinという(表3-(1))。溶媒中の等電点の違いによる分類もあり(表3-(2)),また,アルブミン,グロブリンなどの名は,溶解度によりタンパク質を分類したときの名残りである(表3-(4))。主としてX線解析による成果をもとに,二次構造,三次構造の違いからタンパク質を分類しようとする試みをまとめると表3-(3)のようになる。…

※「アルブミン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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