出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
胎児期でわかった障害や病気を出産前に治療すること。1960年代から欧米では貧血胎児への輸血や、母親に酸素や薬を与えて胎盤からの血液を通じて胎児に送る間接的な治療も行われた。胎児への外科治療が行われるようになったのは1980年代からで、1981年にアメリカで水頭症の胎児の頭に母体から針を刺して髄液を抜くのに成功している。以来、血液交換や尿路閉塞(へいそく)、心臓弁膜症、横隔膜ヘルニアの手術などが行われている。日本では、1983年(昭和58)九州大学が非免疫性胎児水腫(すいしゅ)患者から注射で液を抜いた手術が最初で、1990年(平成2)には国立循環器病センターで尿路閉塞の胎児を体外に出して人工尿路をつくり、ふたたび子宮に戻して出産させるのに成功した。これらの治療が可能になった背景には、超音波診断や血液分析で早く診断がつくようになったことがあげられる。現在までのところ、いずれも比較的単純な病気に限られてはいるが、日本では胎児治療が必要な新生児は年間6000人ともいわれている。しかし、実際に行われているのは、おもに双子の胎児の血管が胎盤の中でつながっている双胎間輸血症候群(TTTS)などの場合で、年間百数十件にとどまっている。
[田辺 功]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新