アレグリア(読み)あれぐりあ(英語表記)Ciro Alegría

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アレグリア」の意味・わかりやすい解説

アレグリア
Alegría, Ciro

[生]1909.11.4. サレティンババ
[没]1967.2.17. リマ
ペルー作家。 1930年,ペルーの急進的政党 APRAに加わって社会不正に抗議,2度にわたり投獄された。 34年には追放されチリ,ついでアメリカ合衆国に亡命した。創作活動の面では,「土着文化派」として,圧倒的に先住民人口の多いアンデス諸国,ペルーの現実をふまえ,土着文化のにない手たる先住民が,真の意味でペルーとペルーの文化の代表であるべきだとし,その実現の道を模索した。代表作『黄金の蛇』 La serpiente de oro (1935) ,『飢えた犬』 Los perros hambrientos (38) ,『広く無縁な世界』 El mundo es ancho y ajeno (41) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アレグリア」の意味・わかりやすい解説

アレグリア
あれぐりあ
Ciro Alegría
(1909―1967)

ペルーの小説家。少年時代からアンデスのインディオたちの生活、習慣などに興味を抱き、中等教育を終えたあとジャーナリストとして活躍するが政治運動もとで1934年国外追放になる。亡命先のチリでインディオと自然とのかかわりを『黄金の蛇』(1935)、『飢えた犬』(1938)に描き、やがて原住民主義(インディヘニスモ)文学の代表作となる、白人地主と虐げられるインディオの抗争を描いた小説『世界は広く無縁なもの』(1941)で大陸小説賞を受賞した。

[安藤哲行]

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