現代外国人名録2016 「アントニオネグリ」の解説
アントニオ ネグリ
Antonio Negri
- 職業・肩書
- 政治哲学者,思想家 元パドバ大学教授・政治学研究所所長
- 国籍
- イタリア
- 生年月日
- 1933年8月1日
- 出生地
- パドバ
- 別名
- 通称=Toni N.
- 専門
- マルクスやスピノザの研究
- 経歴
- パドバ大学教員を務め、左派の集合体“労働者の自律(アウトノミア・オペライア)”にも所属。1979年極左過激派の“赤い旅団”によるアルド・モロ議員の誘拐と殺害の実行グループの一人として逮捕される。何回かの裁判で関与を裏付けることはできず、’83年イタリア国会議員に当選、議員不逮捕特権により出獄と同時にフランスへ亡命。フランスで研究・教育活動を続け、’97年フランスで暮らす180人の亡命者に対する一括恩赦を求めて帰国し、再逮捕される。2003年釈放。以後、各国で講演活動を行う。この間、2000年米国の文学者マイケル・ハートとの共著「〈帝国〉―グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性」を発表、現代の世界秩序を帝国と評して論争を呼んだ。2004年続編「マルチチュード―〈帝国〉時代の戦争と民主主義」を刊行、帝国に抵抗する存在“マルチチュード(多衆)”が全世界で現れつつあるとの仮説を肯定的に展開する。他の著書に「構成的権力」「未来への帰還」「転覆の政治学」「マルクスを超えるマルクス」「さらば、“近代民主主義”」「ネグリ 生政治(ビオポリテーク)的自伝」「未来派左翼―グローバル民主主義の可能性をさぐる〈上・下〉」「革命の秋 いまあるコミュニズム」(「時間の構成」「好機・豊穣・多数性」)、「アントニオ・ネグリ講演集」、共著に「自由の新たな空間」「野生のアノマリー」「ネグリ、日本と向き合う」、ハートとの共著「ディオニュソスの労働 国家形態批判」「コモンウェルズ〈上・下〉」などがある。2008年3月国際文化会館の招聘で初来日の予定だったが、日本政府から実現不可能な条件をつけられたとして中止になった。2013年4月ようやく来日が実現し、「グローバリゼーションの地政学」と題された講演会が行われた。
出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報