イソギク

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イソギク」の意味・わかりやすい解説

イソギク(磯菊)
イソギク
Chrysanthemum pacificum

キク科の低木状多年草で,南関東から東海地方にかけての海岸の崖などに生じる。地下茎が長く走り,茎は斜上して高さ 20~40cmになり基部は木化する。葉は茎の上部に密に互生し,やや長めの倒卵形で上半部は浅く羽裂する。葉の上面は緑色,下面は白毛が密生して銀白色,質は厚く,折ると芳香がある。秋に,茎の頂部に多数の黄色の頭花を集めてつける。個々の頭花は径数 mmで,管状花だけからなるが,ときに頭花の外周舌状花が並ぶものがあり,ハナイソギク C.pacificumf radiatumと呼ばれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソギク」の意味・わかりやすい解説

イソギク
いそぎく / 磯菊
[学] Chrysanthemum pacificum Nakai

キク科(APG分類:キク科)の多年草。海岸の崖(がけ)に生え、細長い地下茎を出す。茎は叢生(そうせい)し、高さ30~40センチメートル、上部まで密に葉をつける。葉は厚く、表面は緑色、裏面は毛を密生し銀白色である。花は普通多数の筒状花からなる頭花で、散房状に多数つき、10~12月に開く。千葉県犬吠埼(いぬぼうさき)から静岡県御前崎(おまえざき)に至る太平洋岸に分布。花期が長く、葉も美しいのでよく栽培される。また栽培のキクとも自然に交雑してさまざまな雑種を生じ、この雑種の一部が古くから栽培されている。

[小山博滋 2022年1月21日]


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