ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イッカククモガニ」の意味・わかりやすい解説 イッカククモガニPyromaia tuberculata 軟甲綱十脚目イッカククモガニ科 Inachoididae。甲長約 2.5cm。甲はくびれの弱い洋梨形。歩脚は細長い棒状で,広義のクモガニ科 Majidaeのカニとして典型的であるが,額角が 1本の突起からなっている点が他種と異なる。今日では雄の第1腹肢の形態などからイッカククモガニ科とされる。原産地はアメリカ合衆国カリフォルニア州からパナマにかけての太平洋東部で,日本では 1970年に相模湾の城ヶ島沖で採集されて以後,東京湾や伊勢湾などの汚れた内湾に多産している。貨物船のバラストタンクにためられた海水中に,幼生または幼ガニがいたものと思われる。アルゼンチン,大韓民国(韓国),ニュージーランド,オーストラリアでも生息が記録されている。潮間帯低部から水深 80mまでにすむ。(→甲殻類,十脚類,節足動物,軟甲類) 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by