イビサ島(読み)イビサトウ

デジタル大辞泉 「イビサ島」の意味・読み・例文・類語

イビサ‐とう〔‐タウ〕【イビサ島】

Ibiza》スペイン東部、西地中海バレアレス諸島にある島。紀元前10世紀にフェニキア人が海上貿易の拠点にして以来、カルタゴローマ帝国東ローマ帝国などの支配をうけてきたため、各時代の文化遺産が多く残る。周辺の海では、珊瑚礁さんごしょうをはじめとする海中生物が多数生育し、豊かな生態系を築いている。1999年に「イビサ、生物多様性と文化」として世界遺産(複合遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イビサ島」の意味・わかりやすい解説

イビサ島
イビサとう
Ibiza

スペイン東方,地中海に浮かぶバレアレス諸島の島。スペインのバレアレス自治州,バレアレス県に属する。主島マヨルカ島の南西 80km,スペイン本土から約 90kmに位置。島の南にはフォルメンテラ島があり,イビサ島とともにバレアレス諸島の西グループを形成する。北東-南西の最長部 40km,南北 20km。最高点は標高 339m。主産物はオリーブ油,トウモロコシ,果実 (イチジクアーモンドなど) ,塩で,そのほかアサ (麻) も栽培される。南東海岸に面した中心集落のイビサは要塞をもった良港で,果実,塩,木炭,鉛,ストッキングを輸出し,米,小麦粉,砂糖,羊毛,綿製品を輸入する。フェニキアカルタゴ時代の遺跡が残り,要塞,沿岸の地中海性植物相とともに,1999年世界遺産の文化,自然の複合遺産に登録された。面積 572km2。人口6万 937 (1981) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イビサ島」の意味・わかりやすい解説

イビサ島
いびさとう
Ibiza

地中海西部、スペイン領バレアレス諸島の一島。カルタゴ古名イボシムIbosim。面積572平方キロメートル、人口8万8076(2001)。アーモンド、柑橘(かんきつ)類などの農業のほか、伝統的製塩南部で行われ輸出されている。松の多い美しい島で、中心都市イビサには教会古城があり、ローマ、フェニキア、カルタゴなどの遺跡も多く観光客や芸術家がよく訪れる。

田辺 裕・滝沢由美子]

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