イワギリソウ(読み)いわぎりそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イワギリソウ」の意味・わかりやすい解説

イワギリソウ
いわぎりそう / 岩桐草
[学] Oreocharis primuloides Benth. et Hook.f.
Opithandra primuloides (Miq.) B.L.Burtt

イワタバコ科(APG分類:イワタバコ科)の多年草。全草柔らかい細毛を密生する。葉は根際につき、広卵形で先はとがり、不ぞろいの牙歯(がし)がある。花茎は長さ10~15センチメートル。5~6月に散形花序をつくり、紅紫色の花を横向きに開く。花冠は、下方筒状で先は5裂して唇形となる。丘陵帯岩場に生え、近畿地方以西の本州、四国、九州に分布する。名は、岩場に生え、葉がキリに似るのでいう。イワギリソウ属は、花冠は漏斗(ろうと)状、左右相称で、完熟する雄しべが2本ある。東アジアに約10種、日本に1種分布する。

[高橋秀男 2021年7月16日]

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