インキ消し(読み)いんきけし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「インキ消し」の意味・わかりやすい解説

インキ消し
いんきけし

インキで書いた字などを消すもの。水溶性インキ用と油溶性インキ用がある。水溶性インキ用には一液式と二液式があり、一液式はさらし粉水溶液だけで脱色し、二液式はそのほかタンニン酸第二鉄などの有機レーキを第一鉄に還元して無色にするシュウ酸を主原料としている。なお、第1液と第2液を区分するため、通常第2液は淡い赤色にしてある。染料インキは第1液で消せるが、ブルーブラック・インキを消すときは二液式を用いる。油溶性用インキ消しはマーキングペンタイプになっていて、中に油溶性インキの溶剤を浸透させてある。それで筆記面をこすって消すが、不浸透面に書かれたものは消せても、浸透面に書かれたものは消えにくい。

[野沢松男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インキ消し」の意味・わかりやすい解説

インキ消し
インキけし
ink eraser

インキで書いた文字などを消すのに用いる液で,シュウ酸を水に溶かした第1液と,さらし粉と炭酸ナトリウムを水に溶かした第2液から成る。第1液をブルーブラックインキで書いた文字に塗ると,没食子酸鉄 (III) あるいはタンニン酸鉄 (III) は還元されて無色の第二鉄塩に変る。青色の染料は変化しないので,第2液のさらし粉で酸化分解して脱色する。したがって,第2液として過マンガン酸カリウム溶液を使うこともある。

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