他の言語あるいは方言から借り入れた語。他言語からの場合は「外来語」ともいう。受け入れ側の言語体系の一部となったと認められるものをいい、そうでない場合は「引用」として区別される。
借用の動機のおもなものは二つ考えられる。一つは新しい文物に対して、それをさす語が自国語にない場合、原語をそのまま借り入れるもので、バター、チーズ、ユーモアなどがある。もう一つは、自国語がすでにあるのに、高度な外国文化にあやかるために借用するもので、英語からのゴージャス、フランス語からのオートクチュールなどがある。
借用語は、発音の面でも意味の面でも変化を受けるのが普通である。フェミニストは、原語では男女を問わず女権拡張論者をさすが、借用語では女に甘い男性のみをさす。類義の自国語がすでにある場合は、ご飯とライスのように、意味分化がおこるのが普通である。
比較言語学では語を材料にして音形の比較をするが、その際、借用語は慎重に排除される。そうしないと、日本語は中国語と同系統ということになりかねない。
[国広哲弥]
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…〈外〉の言語から,文化の一部として,自国語の体系内に入り込んだ単語。借用語ともいう。まだ自国語の体系内に入りきらない〈外国語〉と区別される。…
…〈ピンポン〉と〈卓球〉,〈ラーメン〉と〈中華そば〉などでは,これらの外来語と日本語はほとんど差別がない。英語のように多くの借用語(外来語)を過去に受け入れた言語でも,同じような現象がみられる。たとえばideaとthought,ascendとgo up,descendとcome downである(前者はギリシア・ラテン語系,後者はゲルマン語系)。…
※「借用語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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