エディンバラ(読み)えでぃんばら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エディンバラ」の意味・わかりやすい解説

エディンバラ
Edinburgh

イギリススコットランド南東部の都市。単一自治体(カウンシルエリア council area)。スコットランドの首都。1975年の自治体再編でロージアン県の県都および一地区となり,1996年に単一自治体となった。大部分が旧ミッドロージアン県に属するが,北西部の一部は旧ウェストロージアン県に属する。北海の入り海であるフォース湾の南岸に位置する。背後にペントランド丘陵を控えた低地を占めるが,ところどころに火山岩の岩山があり,独特の景観をつくっている。これらの岩山は早くから砦に利用されていたとみられ,市名も「エイディンの丘の砦」を意味するゲーリック語の Duneideannに由来するが,マルカム3世在位 1058~93)の治世以前の歴史は明らかでない。マルカム3世はキャッスル丘(カッスルロック)と呼ばれる岩山の上に城を築き,王妃マーガレットとともにしばしばここで過ごした。この岩山の上に残る聖マーガレット礼拝堂が市の最古の建物となっている。町は城を中心としてこの岩山の東に続く丘陵上に発展し,ジェームズ2世(在位 1437~60)の治世にスコットランドの首都としての地位を確立,議会の定例開催地となった。1603年ジェームズ6世がイングランド王位を継承すると宮廷がイングランドに移り,さらに 1707年のイングランド・スコットランド併合によりスコットランド議会が廃止された結果,町勢はやや衰えたが,18世紀後半には文芸興隆期を迎え,画家アラン・ラムゼー,ヘンリー・レーバーン,哲学者デービッド・ヒューム,歴史家ウィリアム・ロバートソン,小説家ヘンリー・マッケンジーなどが輩出。この時期には市域が広がり,キャッスル丘の北方に新市街が建設された。人口もしだいに増加していったが,19世紀に入ると産業革命後に工業都市として急発展してきたグラスゴーが,エディンバラに代わってスコットランド最大の都市となった。スコットランドの経済首都として繁栄しているグラスゴーに対し,おもに行政・文化中心地として機能し,市内には 1583年創立のエディンバラ大学をはじめとする多数の高等教育・研究機関や,図書館,博物館などがある。しかし古くから工業も発達し,ビール醸造,ウイスキー製菓製紙,印刷・出版,造船電機,電子機器などの工業が行なわれる。エディンバラ城,ホーリールード修道院,ホーリールードハウス宮殿などのある旧市街は中世面影を強くとどめ,市内外には海浜保養・行楽施設が多いため,ロンドンに次ぐ観光中心地となっている。特にエディンバラ国際フェスティバルの開かれる 8月末~9月初めには観光客が多い。北のフォース湾沿岸に外港リースとグラントン,西郊のターンハウスに国際空港がある。1995年旧・新市街ともに世界遺産の文化遺産に登録された。単一自治体面積 260km2。単一自治体人口 45万3670(2004推計)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エディンバラ」の意味・わかりやすい解説

エディンバラ
えでぃんばら

エジンバラ

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