日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウンターワルデン」の意味・わかりやすい解説
ウンターワルデン
うんたーわるでん
Unterwalden
スイス中部の山岳州。1291年、ウリ、シュウィーツ両州と同盟を結び、スイス連邦結成の主役を担った州で、14世紀にオプワルデンObwaldenとニートワルデンNidwaldenの両準州に分かれ、現在はこれらの総称である。州は北部石灰岩アルプスを構成するヘルベチア押し被(かぶ)せ地塊の範囲内にあり、その北端に展望の優れたピラトゥス山(2129メートル)がある。シュウィーツ州と同じく牧畜地域に属している。牧畜と外国の傭兵(ようへい)が、何世紀にもわたりこの州を経済的に支えてきた。支谷には土地固有の文化が残り、牧草地が多い斜面には孤立農家が散在する。オプワルデンは面積491平方キロメートル、人口3万2700、州都ザルネンSarnen(人口9310)。ニートワルデンは面積276平方キロメートル、人口3万8600、州都はシュタンスStans(人口7212)である(統計はすべて2001年)。
[前島郁雄]