ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エウスタチオス」の意味・わかりやすい解説
エウスタチオス[テッサロニカ]
Eustathios of Thessalonica
[没]1194頃.テッサロニカ
ビザンチン時代の神学者,文献学者。文献学の分野ではホメロス,ピンダロス,アリストファネスらの作品の注釈を残したが,これは散逸したさまざまな文献の内容を伝えるとともに,ビザンチン時代の古典研究の高度の水準を示している。神学に関しては説教集,さまざまな論文,ダマスカスの聖ヨハネ作の賛美歌の注釈などの著作がある。またテッサロニカ大主教の職にあったとき,ノルマン人の同市攻略 (1185) に遭遇し,その詳細な記録を残した。そのほか皇帝マヌエル1世の葬送演説,多数の書簡を残すなど,ビザンチン教養人の典型として多彩な活動を行なった。
エウスタチオス
Eustathios
[没]337頃
アンチオキアの司教。聖人。ニカイア公会議における正統派の代表者の一人で,アリウス主義 (→アリウス派 ) に反対。のちアンチオキア教会会議 (330?) において解職され,ローマ皇帝コンスタンチヌス大帝によってトラキアに追放された。
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