エオリアンハープ(その他表記)aeolian harp

翻訳|aeolian harp

デジタル大辞泉 「エオリアンハープ」の意味・読み・例文・類語

エオリアン‐ハープ(aeolian harp)

ショパンのピアノ曲集「12の練習曲(作品25)」の第1番の通称。変イ長調。名称は、曲全体で用いられる分散和音が、風で弦を鳴らすエオリアンハープという弦楽器を連想させることに由来する。また、ショパンが弟子に同曲を教える際、牧童が笛を吹くさまに例えたため、「牧童」または「牧童の笛」ともよばれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「エオリアンハープ」の意味・わかりやすい解説

エオリアン・ハープ
aeolian harp

風が弦を鳴らす琴。その名はギリシアの風神アイオロスAiolosに由来する。発端は伝説的で,干からびた亀の甲羅に残っていた腱などが風に鳴っていたのを見たヘルメスが弦楽器を作ったというほか,ひとりでに音が出る神秘性を扱った説がある。風を集める漏斗状の部分と多数の弦が張られた方形の琴が連結されており,窓枠に固定したり戸外に据え付けて風を待つ。明確な記述キルヒャーの《普遍的音楽技法》(1650)に始まるが,日常的に用いられたのはおもに18,19世紀のイギリスドイツである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エオリアンハープ」の意味・わかりやすい解説

エオリアンハープ
Aeolian harp

弦楽器の一種。同音調弦の数本の弦を枠に張り,風の通る場所に置くと,弦が振動してハーモニックスにあたる多様な音色を出す。風の強弱によっても変化する音色が非常にロマンチックでヨーロッパでは 1800年頃特にもてはやされた。

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