ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キルヒャー」の意味・わかりやすい解説
キルヒャー
Kircher, Athanasius
[没]1680.11.27. ローマ
ドイツの百科全書的学者。父は神学者。イエズス会のギムナジウムを卒業後,各地の大学で神学,人文学,自然学,数学のほとんどすべての学問を修める。イエズス会士 (1618) 。ウュルツブルク大学の哲学,数学,ヘブライ語,シリア語の教授 (29) 。三十年戦争の戦禍を逃れてアビニョンに移り (31) ,J.ヘベリウス,P.ガッサンディらと交流。教皇の招きでローマに行き (34) ,一時期ローマ学院の数学教授をつとめたが,後半生は著作 (総数 44) ,研究に没頭。特に磁気,光学,地質学の研究に秀でていたが,最大の意義は,その教育,広範囲の文通,著作活動を通して知識の普及に貢献したことである。主著『光と闇の偉術』 Ars magna lucis et umbrae (44) ,『地下の世界』 Mundus Subterraneus (64) 。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報