日本大百科全書(ニッポニカ) 「エジンバラ城」の意味・わかりやすい解説
エジンバラ城
えじんばらじょう
Edinburgh Castle
イギリス、旧スコットランド王国の首都エジンバラにある王城。断崖(だんがい)絶壁に囲まれた岩山に位置し、どこから眺めても古城らしい厳しい風格を備えている。この岩山は遠い昔から城塞(じょうさい)として使われてきたらしいが、記録に現れるのは11世紀後半のマルコム3世(マクベスに殺されたダンカン王の子)の時代からである。スコットランド王家と貴族たちの内紛や、イングランドとの抗争のたびに、この城は血なまぐさい謀殺の場や攻囲の的になった。本丸に相当する部分に簡素な王宮(15世紀)があり、悲劇的な生涯を送ったスコットランド女王メアリーの居室などがある。王宮に隣接する大ホール(16世紀初め)もまた多くの歴史的事件の舞台になったところで、現在では武器や甲冑(かっちゅう)が展示されている。モンス・メグという巨砲(15世紀)もこの城の名物。なお、エジンバラ城のあるエジンバラ旧市街は1995年、新市街とともに世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[紅山雪夫]