元素の性質の規則性に関する経験則。1865年イギリスのニューランズによってみいだされた。当時知られていた約60の元素を原子量の順に並べていくと、8番目ごとに性質のよく似た元素が繰り返し出現するという法則で、音階とよく似ているということから、このような名称でよばれた。周期律発見の歴史のなかでもとくに重要な一段階である。初め発表されたときはイギリスでまったく認められなかったが、ドイツのマイヤー、ロシアのメンデレーエフの周期表が発表されてから、その意義が認められ、高く評価されるようになった。
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1864年にイギリスのJ.A.R. Newlandsが提唱した,「元素を原子量の増加の順に並べると,8番目ごとに性質が似た元素がでてくる」という経験則.提唱直後は真価が認められなかったが,1869年,J.L. Meyer(マイヤー)とD.I. Mendeleev(メンデレーエフ)が元素の周期律を発見した後,その先駆的な卓見が認められた.
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…その後フランスのシャンクルトアAlexandre Émile Béguyer de Chancourtois(1819‐86)は,さらに新しい規則性,すなわち原子を原子量に従って配列していくと,よく似た性質の元素がほぼ等間隔に現れることを発見し,これに基づいて元素を円柱のまわりにらせん状に配列した独創的な図表〈地のらせんvis de terre〉を1862年に発表した(図1)。また,イギリスのJ.A.R.ニューランズは,元素を原子量の順に段階的に配列していくと,8番目ごとによく似た元素が現れ,これが音楽におけるオクターブに酷似しているという〈オクターブの法則law of octaves〉(〈ニューランズの法則〉ともいう)を1865年に発表した。これらは現在の周期律の最初のいとぐちをつかんだものであったが,あまりにも独創的な内容と新奇な表現のため,その価値を認められなかった。…
…1864年原子量の増加順に元素に番号をつけ,この順序数の導入によって従来の元素分類における原子量の算術級数的関係偏重を克服した。翌年当時既知の62の全元素を分類し,同族所属の類似元素の順序数の差が7ないしその倍数となることを指摘して,これを音楽の音階にちなんでオクターブの法則と仮に呼んだ。しかし無理な法則適用からくる元素位置の不備,未知元素のための空所欠如などに批判があって,発表当時は無視された。…
※「オクターブの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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