オブレヒト(読み)おぶれひと(英語表記)Jacob Obrecht

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オブレヒト」の意味・わかりやすい解説

オブレヒト
Obrecht, Jakob

[生]1452.11.22. ベルヘンオプゾーム
[没]1505. フェララ
フランドル楽派の代表的作曲家。 1484年カンブレー大聖堂楽長,85~91年聖ドナティアヌス教会楽長,その間フェララの宮廷歌手,91年アントワープ (アントウェルペン) 大聖堂楽長。 1504年フェララへ旅行し,翌年その地で流行したペストのため死去。緻密な対位法手法と繊細優美な響きはジョスカン・デ・プレ先駆となった。作品は,ミサ約 27,モテト約 19,その他多くの世俗シャンソンがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オブレヒト」の意味・わかりやすい解説

オブレヒト
おぶれひと
Jacob Obrecht
(1450―1505)

フランドル楽派の作曲家。北ブラバント(現ベルギー)のベルヘン・オプ・ゾームに生まれる。生地をはじめ、ユトレヒト、カンブレー、ブリュージュ、アントワープ(アントウェルペン)の教会の楽長を歴任。1504年イタリアのフェッラーラに行き、ペストのため同地で没した。盛期フランドル楽派中とくに重要な作曲家で、厳格な対位法書法を基礎に、統一のとれた構成をもつ音楽を書いた。とくにミサ曲の作曲に力を注いだが、そのほかモテット、シャンソン、フラマン語による多声歌曲、純粋器楽曲など多数の作品を残した。

[今谷和徳]

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