オマハ族(読み)オマハぞく(その他表記)Omaha

翻訳|Omaha

改訂新版 世界大百科事典 「オマハ族」の意味・わかりやすい解説

オマハ族 (オマハぞく)
Omaha

北アメリカ先住民のうち,スー語系言語を話す部族の一つ。もと東部森林地帯のオハイオ川流域に居住していたといわれるが,白人との接触時には大平原東部のミズーリ川流域に居住していた。アースロッジと呼ばれる土の家に住み,定着的村落を形成していた。トウモロコシ栽培を中心とする農耕狩猟が主たる生業活動であった。木製の杵や臼,木・土製の〈さじ〉,土器など東部森林地帯に共通する文化要素を有していたが,土器製作は19世紀半ばまでに放棄されていた。父系出自に基づく半族に組織され,世襲の2人の酋長と多数の副酋長が部族会議を構成していた。戦士の結社や,他の男性による秘密結社も存在していた。現在もネブラスカ州内の保留地に居住している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オマハ族」の意味・わかりやすい解説

オマハ族
オマハぞく
Omaha

草原型文化をもつ北アメリカインディアンの一民族。他のスー語系諸族とともに大西洋岸から西へ移動し,17世紀にはミネソタ州に一時定着したが,その後さらにネブラスカ州に移動。 19世紀中頃にはほとんどの土地を合衆国政府に売渡し,代りに指定居留地がのちになって設けられた。春と秋には円形小屋の定住集落で農耕を行い,狩猟期にはティピーというテントで移動する。 10の氏族が「空」と「大地」の半族に統合され,狩猟キャンプの配置にはその役割が象徴的に示されている。身分上下もあったが,ウマ,毛布の分配,祭りの供応などにより身分の上昇も可能であった。

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