おむつ皮膚炎
おむつひふえん
Diaper dermatitis
(子どもの病気)
おむつの当たる部分に発赤や丘疹、浸軟した発疹を生じ、俗に“おむつかぶれ”と呼ばれる病気です。
おむつによる機械的刺激、排尿や排便のあとでおむつ交換が遅れた時の尿や便による皮膚への刺激が、皮膚炎を起こすきっかけとなります。下痢が続いた時、入浴回数が少ない時などに起こりやすい病気です。
おむつが触れる部分に一致して、発赤や丘疹、浸軟した発疹を生じます。
カビの一種であるカンジダ菌による皮膚感染症(皮膚カンジダ症)と区別が難しい時があり、角質をとって顕微鏡でカビの有無を検査することがあります。
症状に気づいたら、皮膚科または小児科を受診します。
皮膚を清潔に保ち、おむつを頻回に換えることが重要です。おむつ交換時に柔らかい布を使ってぬるま湯でふいてあげます。炎症が強い時は、弱めのステロイド系軟膏を使用します。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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家庭医学館
「おむつ皮膚炎」の解説
おむつひふえんおむつかぶれ【おむつ皮膚炎(おむつかぶれ) Diaper Dermatitis】
[どんな病気か]
おむつが当たるためにおこる皮膚のかぶれです。最初の症状は、おむつが当たる場所の赤みです。はじめのうちは軽く平らな赤みですが、ひどくなると、腫(は)れてきます。何度もこすられる場所にはびらん(皮膚がむけてただれること)ができ、赤ちゃんは排尿や排便のたびに痛がって泣きます。
[原因]
おむつの中でふやけた皮膚が、おむつの素材によって摩擦(まさつ)を受けて傷つきます。そこへ、尿中のアンモニアや便中の酵素(こうそ)が作用して、さらに皮膚をこわし、炎症をおこすためにおこります。
[治療]
まず皮膚を清潔にした後、外用剤を塗ります。炎症が軽い場合は亜鉛華単軟膏(あえんかたんなんこう)をおむつ替えのたびに塗ります。
炎症が強い場合は、マイルドなステロイド外用剤か非ステロイド外用剤を使います。ほぼ1日で治ります。
[予防]
おむつをこまめに替えることです。おむつによるむれをなるべくなくすことが先決です。布おむつよりも通気性のよい紙おむつのほうが、おむつかぶれをおこしにくいというデータも出ています。
便は拭(ふ)き残しのないように注意します。とくに下痢(げり)のときは、拭くよりも洗い流すようにし、その後ワセリンなどで保湿をはかるようにしましょう。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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おむつ皮膚炎
おむつひふえん
diaper dermatitis
おむつかぶれのこと。おむつのあたる部位に一致して紅斑,丘疹,漿液性丘疹,びらんなどが生じ,かゆみを伴う。尿の分解で生じたアンモニアの刺激による湿疹性病変と考えられている。本症と類似の症状を呈する皮膚カンジダ症(カンジダという一種の糸状菌によって起こる皮膚感染症)との鑑別を要する。皮膚カンジダ症は肛門周囲や陰股部に初発し,当初はかゆみを伴わない。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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