食の医学館 の解説
おりもののいじょうやちつえんかんせんしょう【おりものの異常や腟炎、感染症】
《どんな病気か?》
〈おりものの色やにおいの異常は女性器からの注意信号〉
女性器に異常がある場合に、その変調が現れやすいのが「おりもの」です。個人差はありますが、健康体でのおりものは、透明から乳白色の色をしていて、多少のねばりがあります。ところが、色やにおいの変化があったり、泡がまじったり、また出血やかゆみがともなう場合などは、腟(ちつ)や子宮からなんらかの注意信号がでているということです。
おりものの異常として現れる症状のうち、なんらかの炎症が原因となるものがカンジダ腟炎(ちつえん)やトリコモナス腟炎、子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん)や子宮内膜炎(しきゅうないまくえん)、老人性腟炎(ろうじんせいちつえん)などです。また子宮がんや性交による感染症(性病)である淋病(りんびょう)でもおりものに異常がみられます。子宮がんや淋病が疑われる場合はもちろん、おりものに異常がある場合には、すぐに産婦人科を受診し、完治するまでしっかり治療を続ける必要があります。
《関連する食品》
〈アリシン、亜鉛を含む食品が有効に働く〉
○栄養成分としての働きから
腟炎などの炎症が原因となっているおりものの異常では、抗菌性のある食品を積極的に摂取しましょう。薬効性のある食品はたくさんありますが、なかでもアリシンが含まれるネギやニンニクが有効です。
また感染症も含め、治癒(ちゆ)には免疫力を高めなければなりません。それには亜鉛(あえん)を含む食品を積極的にとりましょう。
亜鉛はミネラルの一種で、カキなどの貝類や甲殻類(こうかくるい)、また豚や牛などの赤身の肉から摂取できます。
〈内用にはシソ、外用にはダイコンの茎と葉が有効〉
○漢方的な働きから
漢方では、シソの抗菌作用が高いため、炎症が原因のおりものの異常には効果的とされています。
日常の食生活では、シソの葉を利用することがよくありますが、種子にも同様の作用があり、とくにおりものの異常では、シソの種子の煎(せん)じ汁を1日に3回程度飲むことを習慣化することで、より効果が得られます。
干したダイコンの茎と葉(干葉(ひば))や乾燥したドクダミを浴用に使う方法もあります。とくに干葉を入れての入浴は、かゆみをともなう場合に有効です。
入浴時には陰部をよく洗い、そのあとも清潔に保つよう心がけましょう。