オリンパス(読み)おりんぱす

共同通信ニュース用語解説 「オリンパス」の解説

オリンパス

日本の光学機器大手。内視鏡などの医療機器を製造、販売し、デジタルカメラも手掛ける。1919年に高千穂製作所として設立。52年に医療機器の製造を始めた。欧米アジア多数グループ会社を持つ。2018年3月期の連結売上高は7864億円。90年代に資産運用失敗で抱えた1千億円超の損失を不正な会計処理で隠したとして、12年に元社長らが逮捕された。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オリンパス」の意味・わかりやすい解説

オリンパス(株)
おりんぱす

総合光学機器メーカー。1919年(大正8)顕微鏡の国産化を目ざして東京に株式会社高千穂(たかちほ)製作所が設立された。1927年(昭和2)に安価、高品質で倍率1000倍以上の顕微鏡製作に成功、「オリンパス」の商標で発売した。1936年に最初のカメラ「セミオリンパス」の製造を開始。1942年社名を高千穂光学工業と変更し、さらに第二次世界大戦後の49年(昭和24)にはオリンパス光学工業と変更した。1960年ころには50種類を超す各種顕微鏡を生産輸出比率も40%を超えた。カメラ部門は1959年に国産初のハーフサイズカメラ「オリンパスペン」を発売、ハーフサイズブームを起こした。医療機器の分野では、ファイバースコープによる各種内視鏡を開発、1980年に世界に先がけて超音波内視鏡を開発したほか、各種血液自動分析装置も開発している。同社は早い時期から輸出に力を入れ、販売拠点として、1963年にドイツハンブルクに事務所を開設、翌64年にオリンパス・ヨーロッパを設立した。さらに1968年にオリンパス・コーポレーション・オブ・アメリカ(現オリンパス・アメリカ・インク)を設立、その後もアジア各地に製造販売拠点を設置している。カメラ、顕微鏡、医療用内視鏡、血液分析装置を生産の柱とし、内視鏡は世界シェア7割を占める。2003年(平成15)社名をブランド名の「オリンパス」に変更した。資本金483億円(2008年3月)、売上高1139億円(2008年3月)、従業員数3132(2008年3月)。

[中村青志]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オリンパス」の意味・わかりやすい解説

オリンパス
Olympus Corporation

カメラ内視鏡を中心とする光学機器,医療機器メーカー。1919年高千穂製作所として設立,1942年高千穂光学工業と改称,1949年オリンパス光学工業に改称。1964年ドイツ連邦共和国(西ドイツ),1968年アメリカ合衆国に販売子会社を設立し,海外事業の地歩を固める。1988年にホンコンに子会社を設立したのを皮切りに,アジアに製造・販売・調達拠点を展開。2003年現社名に変更。2004年映像事業をオリンパスイメージングに,医療事業をオリンパスメディカルシステムズに会社分割。事業内容はデジタルカメラ,録音機,各種顕微鏡,内視鏡など。研究開発では医療,生命科学などを手がける。

オリンパス
Olympus

ヨーロッパ宇宙機関の大型高出力実験通信衛星。 1990年代の通信・放送衛星需要にこたえることを目的とした,重量 2tクラスまで対応が可能な多目的衛星バス。3軸姿勢制御方式で,長さ 2.9m,静止軌道上の重量は約 1.4t,寿命は 10年とされている。オリンパス1は,89年7月 12日 (日本時間) に,ギアナ宇宙センターからアリアン3型ロケットにより打ち上げられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

期日前投票

期日前投票制度は、2003年6月11日公布、同年12月1日施行の改正公職選挙法によって創設された。投票は原則として投票日に行われるものであるが、この制度によって、選挙の公示日(告示日)の翌日から投票日...

期日前投票の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android