オーブリー(その他表記)John Aubrey

改訂新版 世界大百科事典 「オーブリー」の意味・わかりやすい解説

オーブリー
John Aubrey
生没年:1626-97

イギリスの好古家。オックスフォードロンドンで法律を学んだが定職に就かず,イギリスの地誌や故事を調べ特定の人物たちの生活資料を収集して一生を過ごした。生存中に世に出たのは地方の怪談奇譚を集めた《雑録》(1696)1編のみであるが,シェークスピア,ジョンソン,ミルトン,ホッブズら多くの文人や著名人に関する記録と風聞逸話をないまぜにし,簡潔で力強い独自の散文で綴った短い伝記的文章は,後代の人によって《小伝記集》という題で出版された(初版1813)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーブリー」の意味・わかりやすい解説

オーブリー
Aubrey, John

[生]1626.3.12. ウィルトシャー,イーストンパーシー
[没]1697.6. オックスフォード
イギリスの好古家。オックスフォード大学に学ぶ。生前に出版された著作は,夢,幻,幽霊の話を集めた『雑録』 Miscellanies (1696) だけだが,多くの遺稿を残した。主として A.ウッドの伝記事典 (1691~92) のために集めた噂の覚え書は『小伝』 Brief Livesとして知られるもので,シェークスピアをはじめとする名士のすぐれた逸話集になっているが,細かい点では信頼性に乏しい。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーブリー」の意味・わかりやすい解説

オーブリー
おーぶりー
John Aubrey
(1626―1697)

イギリスの伝記作者。学生時代から好古趣味をもち、幽霊や錬金術に関する『雑録』(1696)を出版したが、やがて生来社交性を生かして当時の各界名士の伝記的メモを残した。簡潔で生き生きとした散文は、J・ボズウェルの『ジョンソン伝』を思わせる『小伝記集』(1813)となり、「デカルトは壊れたコンパスを使っていた」とか、「ホッブズは、健康のために毎晩ドアを閉めた部屋の中で歌っていた」などのおもしろい記事もある。

[樋渡雅弘]

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