アメリカ映画。1959年作品。ビリー・ワイルダー監督。映画史上最高の喜劇映画の一本。時は禁酒法下の1929年、ギャングの追跡を逃れる二人のミュージシャンが女性バンドに紛れ込み、演奏旅行でマイアミのホテルにやってくると、そこではちょうどギャングたちの総会が開かれるところだった、という設定のなかで、サイレント期以来の追っかけ喜劇、女装喜劇、海浜喜劇(“水着美人連”(ベージング・ビューティズ)が登場し、お笑いにお色気の要素を加えたコメディ)が再現され、またギャング映画がパロディ化される。主演はジャック・レモンJack Lemmon(1925―2001)、トニー・カーティスTony Curtis(1925―2010)、マリリン・モンロー。絶妙の脚本は監督のワイルダー自身とI・A・L・ダイアモンドI. A. L. Diamond(1920―1988)。ラストを締めくくるジョー・E・ブラウンJoe E. Brown(1892―1973)のことば「Nobody's perfect.(完璧な人間はいない)」は映画におけるもっとも有名な幕切れの台詞(せりふ)の一つとなった。
[宮本高晴]
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...