カーティス(読み)かーてぃす(英語表記)Charles Gordon Curtis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーティス」の意味・わかりやすい解説

カーティス
Curtiz, Michael

[生]1888.12.24. ハンガリーブダペスト
[没]1962.4.10. アメリカ合衆国カリフォルニア,ハリウッド
ハンガリー生まれのアメリカ合衆国の映画監督。本名 Mihály Kertész。エロールフリンやダニー・トーマス,ドリス・デーといったスターを世に送り出した。17歳でサーカス団に参加したあと,ブダペストで演技を学んだ。ヨーロッパのいくつかの国で俳優や映画監督を務め,1926年にアメリカに渡った。1930年代にワーナー・ブラザースで 50近い作品を監督した。フリンが主演した冒険映画としては『海賊ブラッド』Captain Blood(1935)や『進め龍騎兵』The Charge of the Light Brigade(1936),『ロビンフッドの冒険』The Adventures of Robin Hood(1938),『シー・ホーク』The Sea Hawk(1940)がある。イングリッド・バーグマンとハンフリー・ボガートが主演した『カサブランカ』Casablanca(1942)で,アカデミー賞作品賞と監督賞を受賞した。後年の作品に,『ミルドレッド・ピアース』Mildred Pierce(1945),『ホワイト・クリスマス』White Christmas(1954),『剣と十字架』Francis of Assisi(1961)などがある。

カーティス
Curtiss, Glenn (Hammond)

[生]1878.5.21. ニューヨーク,ハモンズポート
[没]1930.7.23. ニューヨーク,バッファロー
アメリカ合衆国の航空開拓者の一人。 1909年『ゴールド・バグ』号で飛行に成功,1911年フロートをつけた水上機で離着水し,1912年には世界最初の飛行艇を開発した。こうした実積によってアメリカ海軍から艦載機の開発契約を受け,製品はイギリスやロシアにも輸出された。カーティス機のなかで最もよく知られているのは JN-4ジェニー複葉単発機で,90馬力のエンジンを搭載,6400機以上が製造され,第1次世界大戦中は練習機としてアメリカ,カナダ,ヨーロッパで広く使われた。戦後も巡業曲技飛行団やカナダのロッキー山脈越えの郵便輸送に用いられた。カーティスは第1次世界大戦中,ライト社からライト兄弟の特許侵害で訴えられたが,のちに和解するとともに合併し,カーティス・ライトとなった。

カーティス
Curtis, Charles Gordon

[生]1860.4.20. マサチューセッツボストン
[没]1953.3.10. ニューヨーク,セントラルアイスリップ
発電所や舶用推進に幅広く使われる蒸気タービンを発明したアメリカ合衆国の発明家。特許弁護士としても 8年間活動した。1896年蒸気タービン(速度複式衝動タービン)の特許を取得。その原理は今日でも大型遠洋定期船や海軍艦艇などに用いられるほか,陸上用装置の特許権はゼネラル・エレクトリック GEに売却され,世界各地の発電施設で使用されている。1899年にはアメリカ初のガスタービンの特許を取得。トーマス・アルバ・エジソンと親交があり,ディーゼルエンジンの改良に関する特許も複数保有するほか,魚雷の推進装置の開発にも貢献した。

カーティス
Curtis, George Ticknor

[生]1812.11.28.
[没]1894.3.28.
アメリカの法律家。ドレッド・スコット事件 (→ドレッド・スコット判決 ) の原告側で活躍。主著"History of the Origin,Formation,and Adoption of the Constitution of the United States" (2巻,1854~58) 。

カーティス
Curtis, Cyrus Hermann Kotzschmar

[生]1850.6.18. メリーランドポートランド
[没]1933.6.7. ペンシルバニア,ウィンコート
アメリカの出版業者。少年時代から雑誌の出版に従事し,1879年フィラデルフィアで主婦向け雑誌『レディス・ホーム・ジャーナル』 The Ladies' Home Journalを創刊して大成功を収めた。そのほか買収や創刊で多くの新聞雑誌を発行した。

カーティス
Curtis, George William

[生]1824
[没]1892
アメリカの編集者,作家。ロードアイランド出身。軽妙なタッチの旅行記『ハウアジのナイル紀行』 Nile Notes of a Howadji (1851) ,小説的随筆集『プルーと僕』 Prue and I (56) などで記憶されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーティス」の意味・わかりやすい解説

カーティス(Glenn Hammond Curtiss)
かーてぃす
Glenn Hammond Curtiss
(1878―1930)

アメリカの発明家、飛行家、実業家。ニューヨーク州ハモンズポートに生まれる。1902年からオートバイを製作し、1905年、1907年には速度記録をつくった。1907年には飛行機用エンジン、ついで飛行機の設計製作にかかり、1908年1マイル(約1.6キロメートル)飛行に成功、翌1909年にはフランスのランス国際飛行大会で速度競技に優勝した。1911年には世界最初の実用水上機、翌1912年には最初の飛行艇の飛行に成功した。1919年、カーティス製の飛行艇NC-4は大西洋横断に成功した。

 第一次世界大戦中イギリスから設計者を招いてジェニーの愛称で知られる複葉牽引(けんいん)式の軍用練習機を量産、戦後も長期にわたってアメリカで広く使われた。カーティスがライト兄弟の原理的特許を発展させた補助翼の特許をめぐってライト兄弟と長い間係争を続けたことは有名である。第一次世界大戦後のカーティス航空機会社(後のカーティス・ライト・コーポレーション)は陸海軍の支援を得て競速機を製作、軍用機の発達に貢献し、その活動は第二次世界大戦末まで継続した。

[佐貫亦男]



カーティス(Charles Gordon Curtis)
かーてぃす
Charles Gordon Curtis
(1860―1953)

アメリカの発明家、事業家。コロンビア大学で土木工学を、ニューヨーク法律学校で法学を学び、その後8年間、弁理士として経験を積んだのち、電動機製造会社を設立。1896年、一つの羽根車に2列以上の可動羽根をもつ速度複式の衝動蒸気タービンを発明、3年後にはアメリカ最初のガスタービン特許を取得した。第二次世界大戦中は各国の海軍用タービンの設計を手がけるなど、カーティスタービンは船舶用タービンとして広く用いられた。1910年、アメリカ芸術科学アカデミーから、自然科学の分野において功績の顕著な研究者に贈られるランフォード賞を受けた。

[高橋智子]

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