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過敏性肺炎 カビンセイハイエン

家庭医学館の解説

かびんせいはいえん【過敏性肺炎 Hypersensitivity Pneumonitis】

[どんな病気か]
 過敏性肺臓炎(かびんせいはいぞうえん)ともいいます。小さなチリやほこりのようなもの(有機塵埃(ゆうきじんあい))をくり返し吸入しているうち、これに過敏になっておこるアレルギー性の肺炎です。別名、外因性(がいいんせい)アレルギー性肺胞炎(せいはいほうえん)とも呼ばれています。
 この病気は、吸入するものの種類や発病する環境のちがいにより夏型過敏性肺(なつがたかびんせいはい)(臓(ぞう))炎(えん)、農夫肺(のうふはい)、鳥飼病(とりかいびょう)、加湿器肺(かしつきはい)、空調病(くうちょうびょう)などに分けられます。しかし、どれもほぼ同じ病状を示します。
[原因]
 夏型過敏性肺炎(なつがたかびんせいはいえん)は、日本の過敏性肺炎のうちでもっとも多くみられるもので、梅雨の後の高温多湿な夏季に家屋内に増殖するトリコスポロン(かびの一種)が原因でおこります。
 農夫肺(のうふはい)は、牛の飼料に生えたかびが原因で、酪農家にみられます。
 鳥飼病(とりかいびょう)は、鳥のふんが原因です。ハトやインコなどを飼う人におこります。
 加湿器肺(かしつきはい)や空調病(くうちょうびょう)は、装置の水やフィルターに生えたかびが原因です。
[症状]
 発熱、せき、呼吸困難がおもな症状で、ほかに、たん、咽頭(いんとう)の違和感、体重減少、だるさ、頭痛などがあります。
 これらの症状は、塵埃を吸入後、4~6時間して現われます。
[検査と診断]
 胸部X線写真を撮ると、両肺にすりガラス状や粒状の陰影がみられます。
 血液検査では、白血球(はっけっきゅう)の増加、CRP(からだに炎症があると血液中に急激に増えるC反応性たんぱく)の陽性、赤血球沈降速度(せっけっきゅうちんこうそくど)が上昇するほか、原因となっている塵埃を抗原(こうげん)として結合する抗体(こうたい)がみられます。
 症状が特定の環境や作業に関連しておこったり、同じ症状がくり返しおこっている場合には、過敏性肺炎ではないかと疑うことがたいせつです。
[治療]
 炎症を抑える作用のあるステロイド(副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)薬が、非常によく効きます。症状の程度に合わせてステロイド薬であるプレドニゾロンを服用するか静脈注射します。そのほか、息苦しさには酸素吸入など、対症療法(症状を抑える治療)を行ないます。
[予防]
 原因となっている塵埃を吸入しないようにすることがたいせつです。夏型過敏性肺炎のトリコスポロンは、日当たりや風通しが悪く、湿気の多い場所(台所、洗面所、風呂場(ふろば)など)にあるかびでくさった木、マット、畳(たたみ)、寝具、室内の小鳥のふんなどに増殖します。
 したがって、これらの場所を中心に畳がえを含む大掃除や消毒を行ない、日当たりや通気をよくして除湿をすれば、多くの場合、トリコスポロンを除去できます。しかし、改築や転居をせざるをえないこともあります。
 農夫肺の原因である飼料のかびのように、環境から抗原をなくせない場合は、防塵(ぼうじん)マスクを使うようにします。
 加湿器肺、空調病のような換気装置肺炎(かんきそうちはいえん)の場合には、装置がかびで汚染されていることが多いので、フィルターを交換したり、機材を清潔にします。鳥飼病では、鳥の飼育をやめます。
 慢性化すると、肺に線維組織が増えてかたくなり(肺線維症(はいせんいしょう))、呼吸不全になりますから、予防がたいせつです。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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