お祭佐七(読み)オマツリサシチ

デジタル大辞泉 「お祭佐七」の意味・読み・例文・類語

おまつりさしち【お祭佐七】

歌舞伎狂言心謎解色糸こころのなぞとけたいろいと」(4世鶴屋南北・2世桜田治助らの作)または「江戸育御祭佐七」(3世河竹新七作)の通称

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精選版 日本国語大辞典 「お祭佐七」の意味・読み・例文・類語

おまつりさしち【お祭佐七】

  1. 歌舞伎世話物。三幕。三世河竹新七作。本名題江戸育御祭佐七(えどそだちおまつりさしち)」。明治三一年(一八九八)東京歌舞伎座初演。柳橋の芸者小糸恋仲の鳶の者お祭佐七が、加賀家の武士倉田らの悪計で、小糸を殺すが、のちに真相を知って敵を討つ。小糸佐七物の一つ。先行作に、四世鶴屋南北作「心謎解色糸(こころのなぞとけたいろいと)」などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「お祭佐七」の意味・わかりやすい解説

お祭佐七
おまつりさしち

歌舞伎(かぶき)劇中の登場人物。俗謡に「本町二丁目糸屋の娘」と歌われた娘お糸と手代佐七の情話は、浄瑠璃(じょうるり)、歌舞伎に脚色され「小糸佐七物」という一系統をなしているが、その佐七を「お祭り」と異名のある威勢のいい鳶(とび)の者に仕立てたもの。4世鶴屋南北の『心謎解色糸(こころのなぞとけたいろいと)』で創作され、3世河竹新七の『江戸育御祭佐七(えどそだちおまつりさしち)』では主人公として活躍、その脚本の通称にもなっている。

[松井俊諭]

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「お祭佐七」の解説

お祭佐七
(通称)
おまつりさしち

歌舞伎・浄瑠璃の外題
元の外題
心謎解色糸 など
初演
文化7.1(江戸・市村座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「お祭佐七」の解説

お祭佐七 おまつり-さしち

小糸・佐七(こいと・さしち)

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デジタル大辞泉プラス 「お祭佐七」の解説

お祭佐七

古典落語演目ひとつ。人情ばなし。

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世界大百科事典(旧版)内のお祭佐七の言及

【江戸育御祭佐七】より

…1898年5月東京歌舞伎座初演。通称《お祭佐七》。お祭佐七を5世尾上菊五郎,小糸を尾上栄三郎(後の6世梅幸)で好演して以来15世市村羽左衛門ら音羽屋系の家の芸として現在に継承される。…

【心謎解色糸】より

…歌舞伎狂言。世話物。5幕。4世鶴屋南北・2世桜田治助らの合作。通称《本町糸屋の娘》《お祭左七》。別名題《誰噂色菊月(たれもうわさいろときくづき)》《本調子糸音色(ほんちようしいとのねじめ)》。1810年(文化7)1月江戸の市村座初演。配役はお祭左七を2世尾上松助(のちの3世菊五郎),半時九郎兵衛を5世松本幸四郎,本庄綱五郎を3世坂東三津五郎,糸屋妹娘お房・九郎兵衛女房お時実は糸屋姉娘小糸を5世岩井半四郎,芸者お糸を2世沢村田之助,風の神喜左衛門を初世尾上松緑など。…

※「お祭佐七」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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