カウンティ制度(読み)かうんてぃせいど(英語表記)County System

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カウンティ制度」の意味・わかりやすい解説

カウンティ制度
かうんてぃせいど
County System

アメリカ合衆国の各州を構成する郡とよばれる地方自治の組織をさす。その起源は、グレート・ブリテン(イギリス)における最大の行政区であるカウンティ(県)制度に由来する。植民地時代から、広大な農業地帯の南部西部で発達して全国に及び、今日まで3世紀半以上も基本的に変わることなく存続している。当初から、行政委員、収入役、保安官をはじめ、生活全般にわたる役人が、住民選挙で選ばれた。また、治安判事のもとに郡裁判所が置かれた。時代とともに、文化、環境、福祉など都市型のサービス機能が付加されていった。タウン制度の発達したニュー・イングランドでは、裁判の管轄区としてのみ存続している。

[池本幸三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カウンティ制度」の意味・わかりやすい解説

カウンティ制度[イギリス]
カウンティせいど[イギリス]
county system

地方行政制度。ノルマン・コンクェストによって既存シャイアにカウンティという呼称が与えられ,以後シェリフ,治安判事,ロード・レフテナントなどによって地方自治単位として運営され,ジェントリー支配の基盤をなした。 1888年選挙制のカウンティ・カウンシルにほぼ完全な自治権が与えられた。

カウンティ制度[アメリカ合衆国]
カウンティせいど[アメリカがっしゅうこく]
county system

イギリスの制度を手本として設けられた郡裁判所を中心とするアメリカの地方行政単位。植民地時代に南部および中部の植民地に設けられ,のち北部にも設置された。現在アメリカ全土で約 3000を数える。

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