タウン制度(読み)たうんせいど(英語表記)Town System

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タウン制度」の意味・わかりやすい解説

タウン制度
たうんせいど
Town System

アメリカ植民地のニュー・イングランドで発達した、直接民主制による地方自治制度。初期移住者の創設した農村共同体の法的編入と承認とが植民地議会に求められる過程で、清教徒的社会契約思想をその土台としてしだいに発展した。成年男子住民大半が、タウン・ミーティングTown Meetingに参加し、その場で行政委員や警察官、植民地代議員などを選出したほか、課税土地分配、公共土木事業、学校・民兵隊教会の維持など、いっさいを決定した。18世紀以降、新旧住民の対立不在地主の増加につれて、西部に新しいタウンの建設が行われ、19世紀には中西部地方の北部にもこの制度が及んだ。独立革命には、反英抵抗の強力な拠点となった。

[池本幸三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タウン制度」の意味・わかりやすい解説

タウン制度
タウンせいど
town system

アメリカの地方行政組織の単位。ニューイングランド諸植民地に最も普通にみられた制度で,南部に多かったカウンティ制度と対照的なもの。タウン共同体として一括して土地の交付を受け,教会と集会場を中心に形成された集村形態。住民はタウン・ミーティングに出席して自由に発言するという直接民主制の自治組織で,アメリカ民主主義の源泉の一つといわれる。現在ではアメリカの大部分の州で,州の次の地方行政の単位はカウンティであり,その下にタウンとシティーがある。

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