カシオペヤ座(読み)かしおぺやざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カシオペヤ座」の意味・わかりやすい解説

カシオペヤ座
かしおぺやざ

秋の宵に北の空高く昇る星座。W字形に5個の星が並んでいる姿はひと目でそれとわかる。北斗七星が北の地平線低く下がるころ北の空にかかるので、北極星をみつけるためのよい目印になる。カシオペヤ(カッシオペイア)は、ギリシア神話に登場する古代エチオピア王国の王妃で、娘アンドロメダの美しさ、または自身の美しさを自慢しすぎたため海神の怒りを買い、アンドロメダを海魔のいけにえに捧(ささ)げなければならなくなってしまう。W字はそのカシオペヤの椅子(いす)に腰かけた姿を表したものである。

 日本では古くから「いかり星(錨星)」、「山がた星」(大分地方)などの名で親しまれていた。秋の天の川の中にあり、双眼鏡や小望遠鏡で楽しめるM52やNGC7789などの散開星団をたくさん含んでいる。

[藤井 旭]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例