カステロブランコ(英語表記)Camilo Castelo Branco

デジタル大辞泉 「カステロブランコ」の意味・読み・例文・類語

カステロ‐ブランコ(Castelo Branco)

ポルトガル中東部の都市。13世紀にテンプル騎士団が城と城壁を築いたことに起源する。農業が盛んでチーズ、豚肉の産地として有名。同国屈指のバロック様式の庭園として知られる司教邸庭園(宮殿庭園)がある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「カステロブランコ」の意味・わかりやすい解説

カステロ・ブランコ
Camilo Castelo Branco
生没年:1825-90

ポルトガルのロマン主義小説家。多作家として名高い。幼くして両親を失い,叔母や姉の家で育てられ,波乱の生涯の最後には失明の不安からピストル自殺した。彼の作品の基本的特質を理解するには,彼の生涯に関する知識がきわめて重要である。小説の舞台は主としてポルトガル北部で,そこに生きる人々の息づかいが現代の読者にも生き生きと感じられる。代表作《破滅の恋》(1862)は女性関係が原因の投獄事件の結果生まれたもので,大衆作家としての頂点を示すものである。作品数は260をこえる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カステロブランコ」の意味・わかりやすい解説

カステロ・ブランコ
Castelo Branco, Camilo

[生]1825.3.16. リスボン
[没]1890.6.1. サンミゲルデセイデ
ポルトガルの小説家。 10歳で孤児となり,父方の伯母の家で育った。 1841年結婚。 44年ポルトの医科大学に学ぶ。 49年にはマリア・ブロウネ夫人と交情を結び,ポルト市のスキャンダルの的となった。翌年ポルトの神学校に入ったが,51年修道女との恋愛を新聞『祖国』に暴露され,聖職を断念。 90年に失明し,自殺。風俗小説創始者。代表作『幸福はいずこに』 Onde está a Felicidade? (1856) ,『破滅の恋』 Amor de Perdição (62) ,『善と悪』O Bem e o Mal (63) ,『エウゼビオ・マカリオ』 Eusébio Macário (79) ,『無頼漢の群れ』A Corja (80) 。

カステロ・ブランコ
Castelo Branco, Humberto de Alençar

[生]1900.9.20. フォルタレザ
[没]1967.7.18. フォルタレザ近郊
ブラジルの軍人,政治家。軍人の家に生れ,幼年学校,士官学校を優秀な成績で卒業。第2次世界大戦中はブラジル海外派遣軍中佐としてイタリア戦線におもむき,戦後はアメリカ合衆国,フランスに留学。ブラジル第2軍団の司令官,陸軍参謀総長を経て,1964年の軍事クーデターでは中心的役割を果した。同年軍事政権の初代大統領となり,軍部指導の政治体制の確立,経済の安定化,対米友好関係の回復など長期軍事政権の基礎を築いた。 67年3月満期辞任。同年7月 18日飛行機事故で死亡。

カステロブランコ
Castelo Branco

ポルトガル中部,カステロブランコ県の県都。織物工業 (伝統的な刺繍のベッドスプレッドが特に有名) や,コルクワインオリーブ油,チーズの交易が盛ん。町は一部をローマ時代の城壁に囲まれ,13世紀の城,大聖堂,司教宮殿などがあり,周辺には多くのローマ遺跡が残っている。人口2万 6410 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カステロブランコ」の意味・わかりやすい解説

カステロ・ブランコ(Camilo Castelo Branco)
かすてろぶらんこ
Camilo Castelo Branco
(1825―1890)

ポルトガルの小説家。通称カミーロ。リスボン生まれ。ロマン派の文豪で、風俗小説の創始者として知られ、約260の小説、戯曲、詩、評論などを書いたが、失明のためピストル自殺した。この間、人妻との恋愛事件で1年間の獄中生活を送ったが、そのときに書いた激情小説『破滅の恋』(1862)は、叔父をモデルとしたもので彼の代表作。ほかに、写実的傾向を示した田園小説『ミーニョ物語集』などがある。

[濱口乃二雄]


カステロ・ブランコ(ポルトガル)
かすてろぶらんこ
Castelo Branco

ポルトガル中東部、ベイラ・バイシャ県の県都。人口3万1464(2001)。標高約500メートル、テージョ(タホ)川を見下ろす丘陵上に位置する。1209年テンプル騎士団により建設され、その城塞(じょうさい)跡がある。織物業に伝統があり、鳥や竜の模様を美しくあしらったベッド掛けなどを産する。周辺は森林と農業地帯で、オリーブ、チーズ、コルクを産し、とくに豚肉が有名。

[田辺 裕・柴田匡平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「カステロブランコ」の意味・わかりやすい解説

カステロ・ブランコ

ポルトガルの小説家,劇作家,詩人。小説《仕合せはどこに》で有名になる。ポルトガルの生活を民衆の言葉で生き生きと再現。代表作は《破滅の恋》《ミーニョ物語集》。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

367日誕生日大事典 「カステロブランコ」の解説

カステロ・ブランコ

生年月日:1900年9月20日
ブラジルの軍人,軍事政権最初の大統領
1967年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android