カズビーン(読み)かずびーん(英語表記)Qazvīn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カズビーン」の意味・わかりやすい解説

カズビーン
Qazvīn

イラン北部,テヘラン州の都市。エルブールズ山脈南麓の広大で肥沃平野に位置する。道路と鉄道でテヘラン,タブリーズと結ばれ,カスピ海南西ハマダーンには道路で結ばれる交通の要衝。産業は変化に富む農業に集中している。4世紀以前からの歴史をもち,イスラム時代初期にその宣教基地として栄えたが,13世紀にモンゴル侵略を受けて破壊された。のちに復興し,サファビー朝のタマースプ1世により首都とされ,アッバース1世のときイスファハン (現エスファハン) に移されるまで,その地位を保った。人口 27万 8826 (1991) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カズビーン」の意味・わかりやすい解説

カズビーン
かずびーん
Qazvīn

イラン北西部、カズビーン州の州都。テヘランの北西144キロメートル、アルボルズ山脈の南麓(なんろく)にある。標高1302メートル。年降水量339ミリメートル。人口29万1117(1996)。イラン北部の交通の要衝を占め、ササン朝シャープール2世により4世紀につくられた。アラブ人モンゴル人の破壊を被ったが、1555~96年にはサファビー朝の首都として栄えた。地震帯に位置するため何度も震災を受け、1809年の地震では町の大半が崩壊した。

[岡﨑正孝]

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