カニッツァーロ反応
かにっつぁーろはんのう
Cannizzaro reaction
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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カニッツァーロ反応 (カニッツァーロはんのう)
Cannizzaro reaction
アルデヒドRCHOがアルカリの作用によって酸化還元を同時に起こして,アルコールRCH2OHとカルボン酸RCOOHになる反応。1853年イタリアの化学者S.カニッツァーロによって見いだされた。
2RCHO+NaOH─→RCOONa+RCH2OH
アルデヒドとして,エノール化できないものだけがこのような反応を起こす。エノール化できるアルデヒドの場合には,アルドール縮合のほうが起こりやすい。反応は水またはアルコール溶液中で濃いアルカリ溶液とかきまぜて行われる。たとえば,ベンズアルデヒドは安息香酸とベンジルアルコールを与える。α,β-不飽和アルデヒドは反応しない。通常,反応は単一のアルデヒドを用いて行われるが,二つの異なるアルデヒド間の場合,交差カニッツァーロ反応crossed Canniz-zaro reactionと呼ばれる。成分の一方としてホルムアルデヒドを用いると芳香族アルデヒドが選択的に還元され,ホルムアルデヒドHCHOはギ酸のアルカリ金属塩となり,芳香族アルデヒドRCHOはアルコールとなる。

執筆者:友田 修司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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カニッツァーロ反応
カニッツァーロハンノウ
Cannizzaro reaction
芳香族アルデヒド,ホルムアルデヒド,または第三級炭素原子にアルデヒド基が結合したアルデヒドに,アルカリを作用させると不均化を起こして,アルコールとカルボン酸になる反応.
2C6H5CHO + KOH → C6H5CH2OH + C6H5COOK
2種類の異なるアルデヒドの間にもこの反応は起こり,交差カニッツァーロ反応とよばれる.ホルムアルデヒドを一方のアルデヒドに選べば,芳香族アルデヒドをアルコールに還元することができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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カニッツァーロ反応
カニッツァーロはんのう
Cannizzaro reaction
イタリアの S.カニッツァーロによって見出された反応。ホルミル基と結合し,水素原子とは結合してない炭素原子を含むアルデヒド (フルフラール,ベンズアルデヒド) に水酸化カリウムのような強アルカリを作用させると,1分子が酸化してカルボン酸となり,もう一方の1分子が還元されてアルコールとなる反応。たとえばベンズアルデヒドの場合,安息香酸とベンジルアルコールとを生成する。脂肪族アルデヒドでもこの反応が起ることがある。また,2種のアルデヒド分子間でもこの反応が見られる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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