日本大百科全書(ニッポニカ) 「カバリエ」の意味・わかりやすい解説
カバリエ
かばりえ
Montserrat Caballé
(1933―2018)
スペインのソプラノ歌手。バルセロナ生まれ。バルセロナ音楽院に学び、1956年バーゼル市立歌劇場でデビュー。1958年ウィーン国立歌劇場、1960年ミラノ・スカラ座、1965年にはメトロポリタン歌劇場に登場、以来世界の第一級の歌劇場を舞台に活躍を続けた。ベッリーニ、ドニゼッティ、ベルディ、プッチーニなどのイタリア・オペラ、モーツァルトをレパートリーの中心としている。1975年(昭和50)急病のマリア・カラスの代役として初来日、『トスカ』を歌った。1992年バルセロナ・オリンピックの開会式ではほかのスペイン人歌手とともに登場、式典に花を添えた。彼女の声はなめらかさと力強さをもち、ピアニッシモでもやせない声質と技術に恵まれていた。
[美山良夫 2018年10月19日]
『ピエール・マリア・パオレッティ著、南条年章訳『スカラ座の人』(1988・音楽之友社)』▽『ヘレナ・マテオプーロス著、岡田好恵訳『ブラヴォー/ディーヴァ――オペラ歌手20人が語るその芸術と人生』(2000・アルファベータ)』▽『Robert Pullen, Stephen Taylor:Montserrat Caballé(1995, Northeastern University Press)』