カメノコハムシ(その他表記)Cassida nebulosa

共同通信ニュース用語解説 「カメノコハムシ」の解説

カメノコハムシ

かめこうた形をしている甲虫こうちゅうで、日本各地をはじめアジアヨーロッパなど世界中に生息する。アカザテンサイなどの葉を好む。南アメリカには、アクセサリー材料になるほど美しい仲間も。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「カメノコハムシ」の意味・わかりやすい解説

カメノコハムシ
Cassida nebulosa

甲虫目ハムシ科の昆虫背面は灰白色から黄褐色で,腹面は黒色。上翅には不規則な小黒紋がある。体長約7mm。日本各地に生息し,5月ごろから出現する。アカザ,テンサイ,フダンソウなどの葉を食し,食葉の裏面に産卵する。卵塊は数層からなるが,パラフィン状の分泌物で覆われ,葉にはりつけたように付着する。幼虫楕円形で,周縁にとげ状の突起を並べる。背方へ細長く突出する尾突起に糞を付着させる習性がある。葉上で蛹化(ようか)するが終齢幼虫の脱皮殻を尾端に残す。成虫越冬する。カメノコハムシ類の成虫は体の周縁が扁平に外方へはり出すことで,一見カメの子のように見える。幼虫は前述のように脱皮殻や糞を尾端に残す習性がある。ヒルガオを食するジンガサハムシ,アザミ類を食するアオカメノコハムシ,ボタンズルなどを食べるコガタカメノコハムシムラサキシキブ,ヤブムラサキを食べるイチモンジカメノコハムシなどがこの類である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カメノコハムシ」の意味・わかりやすい解説

カメノコハムシ
かめのこはむし / 亀子金花虫
[学] Cassida nebulosa

昆虫綱甲虫目ハムシ科カメノコハムシ亜科に属する昆虫。日本各地のほかアジア、ヨーロッパに広く分布する。体長約7ミリメートル。亀の甲形の甲虫で白色ないし黄白色、背面に小さい黒点を散らし、前胸と上ばねの両側は平たく広がる。幼虫は平たくて外縁に棘(とげ)があり、糞(ふん)を背中にのせる習性がある。

 カメノコハムシ亜科Cassidinaeの甲虫の英名は、tortoise beetlesで世界に3000種以上が知られ、とくに熱帯域には10ミリメートル以上の美麗な種があり、ナンベイオオカメノコハムシPolychalca variolosaのようにブローチなどの装飾品にされるものもある。いずれも亀の甲状で楕円(だえん)形ないし円形、成・幼虫ともアカザ、テンサイなどの葉を食べる。日本産は約30種、生時金色に光るジンガサハムシAspidomorpha difformisなどがある。

[中根猛彦]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カメノコハムシ」の意味・わかりやすい解説

カメノコハムシ
Cassidinae; tortoise beetle

甲虫目ハムシ科カメノコハムシ亜科の昆虫の総称。全体の形がカメの形に似ており,平たく円形または楕円形。触角,肢とも短い。幼虫は脱皮殻を尾突起に残し,これにほぼ体が隠れるほどに自分の糞塊を乗せ,体を糞塊に偽装する。カメノコハムシ Cassida nebulosaが代表種。体長 7mm内外で,黄褐色。成虫は5~8月に現れる。成・幼虫ともアカザ,サトウダイコン,フダンソウなどを食べる。日本全土のほか,アジア東部,ヨーロッパに分布する。ジンガサハムシも金色に光るのでよく知られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「カメノコハムシ」の意味・わかりやすい解説

カメノコハムシ

ハムシ科の甲虫の1種。日本全土,朝鮮,シベリア〜ヨーロッパに分布。体長7mm内外,長卵形。頭は前胸の下に隠れ背面からは見えない。灰白〜黄褐色で,小黒斑がある。幼虫・成虫ともにアカザ,フダンソウなどを食べる。年に2回発生し,成虫で越冬。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android