フダンソウ(読み)ふだんそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フダンソウ」の意味・わかりやすい解説

フダンソウ
ふだんそう / 不断草
[学] Beta vulgaris L. var. cicla L.

アカザ科(APG分類:ヒユ科)の一、二年草。トウヂシャともいう。南ヨーロッパ原産で、サトウダイコンや飼料ビートの近縁種であるが、根は肥大しない。多くの根出葉を次々と出し、葉を順次かき取って葉菜として一年中利用できるので、フダンソウ不断草)という。2年目の初夏にとう立ちして、草丈1~1.5メートルになり、黄緑色の小花を多数つける。葉は柔らかく、塩ゆで、バター炒(いた)め、煮物などにする。日本には江戸時代以前に伝来した。若い葉はサラダに使われる。

[星川清親 2021年2月17日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フダンソウ」の意味・わかりやすい解説

フダンソウ(不断草)
フダンソウ
Beta vulgaris var. cicla

アカザ科の越年草。トウヂシャともいう。ヨーロッパ南部の原産で,古い時代に中国を経て日本に伝えられ,現在では畑で広く栽培される野菜一種サトウダイコン (砂糖大根)と同じ原種から出たと考えられているが根は太くならない。地上部は柄の長い根生葉を生じ,葉面は長さ 20cmほどの長卵形で,葉質は厚く縁は波のようにうねる。初夏に,花茎を 1mほども伸ばしホウレンソウに似た小さな黄緑色の花を何段にも重ねてつける。

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