カルノーの定理(読み)カルノーノテイリ(その他表記)Carnot's theorem

デジタル大辞泉 「カルノーの定理」の意味・読み・例文・類語

カルノー‐の‐ていり【カルノーの定理】

フランスの物理学者S=カルノーが提唱した熱効率についての定理高温と低温との間で行われる熱機関サイクルうち最大の熱効率をもつサイクルは可逆サイクルになり、逆に、可逆サイクルはすべて同一の熱効率を実現するというもの。この理想的なサイクルはカルノーサイクルと呼ばれる。カルノー原理

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精選版 日本国語大辞典 「カルノーの定理」の意味・読み・例文・類語

カルノー の 定理(ていり)

  1. カルノー‐サイクルの効率に関する定理。一定高温度と低温度の間で蒸気ガス)が膨張収縮を繰り返すサイクルの中で、可逆的なサイクルは蒸気(ガス)の種類と無関係に同一の熱効率をもち、すべてのサイクル中最大である、また逆に最大の熱効率のサイクルは可逆的であるというもの。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルノーの定理」の意味・わかりやすい解説

カルノーの定理
カルノーのていり
Carnot's theorem

与えられた温度をもつ2つの熱源の間で働く熱機関のうち,可逆機関はどんな作業物質のときでもすべて同じ熱効率をもち,不可逆機関の熱効率はすべてこれより小さい。これをカルノーの定理という。 S.カルノーがこれを提唱したのは,熱力学が完成されるより 30年も前のことであり,のちに R.クラウジウス熱力学第二法則から厳密に証明した。理想気体を作業物質とするカルノーサイクルにカルノーの定理を適用すると,絶対温度が T1T2(T1T2) の2つの熱源の間で働く可逆機関の熱効率は,1-T2/T1 であることが示される。

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法則の辞典 「カルノーの定理」の解説

カルノーの定理【Carnot's theorem】

「カルノーの原理」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のカルノーの定理の言及

【カルノー】より

…フランスの技術者,物理学者。熱力学第2法則の原型ともいえるカルノーの定理を見いだしたことで知られる。フランス革命政府軍の政治家であった科学技術者L.N.M.カルノーの長男。…

【クラウジウス】より

…1850年の《熱の動力について》では,熱は物質粒子の運動の現れであるとする立場から,ジュールの原理(熱機関に投入された熱の一部は仕事に変わる)を熱力学の第1法則として定式化した。さらに熱素説に立つと考えられていたカルノーの定理(得られる最大の仕事は投入された熱と温度差とに比例する)は,熱素の保存という考えを捨てれば第1法則と矛盾するものではないことを示し,熱力学の第2法則として確立した。54年の《第2法則の種々の形式》ではエネルギー変換の不可逆性を表す量の考えを導入し,65年にはこの考えを物質の状態変化に適用してエントロピーと名付け第2法則を数量的に定式化した。…

※「カルノーの定理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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