熱力学第二法則(読み)ネツリキガクダイニホウソク(英語表記)second law of thermodynamics

デジタル大辞泉 「熱力学第二法則」の意味・読み・例文・類語

ねつりきがく‐だいにほうそく〔‐ダイニハフソク〕【熱力学第二法則】

熱力学の法則

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「熱力学第二法則」の意味・わかりやすい解説

熱力学第二法則
ねつりきがくだいにほうそく
second law of thermodynamics

巨視的な現象が一般に不可逆変化であることを主張する法則。この法則は,研究した学者によって,いろいろな表現がされている。 R.クラウジウスは「熱が移動したという現象のほかには,他になんの変化も残さないで,熱を低温の物体から高温の物体に移す方法はない」と表現し,W.トムソン (ケルビン卿) は「熱源から得た熱を仕事に変えるだけで,他になんの変化も残さないで操作する熱機関は存在しない」といい,また M.プランクは「重いものを持上げ,これに対して熱源を冷却すること以外に,なんの作用もしないで周期的に働く機械をつくることは不可能である」と唱えた。この3つの表現は同等であるが,F.W.オストワルトのように「第二種永久機関をつくることは不可能である」といってもよい。エントロピー概念を用いれば「孤立系が不可逆変化をする場合は,必ずエントロピーが増大し,可逆変化をする場合だけエントロピーが変らず,エントロピーの減少することは決してない」ということもできる。これをエントロピー増大の原理という。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

化学辞典 第2版 「熱力学第二法則」の解説

熱力学第二法則
ネツリキガクダイニホウソク
second law of thermodynamics

熱力学的系のほかの部分になにも影響を及ぼすことなく,熱が完全に相当する仕事の量に変換されることはないという法則であって,効率が100% の熱機関はありえないと表現されることもある.化学に対する応用としては,この法則にもとづいて,ある化学反応が起こる可能性とその程度について予想するための手がかりが与えられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android