熱力学第二法則(読み)ねつりきがくだいにほうそく(英語表記)second law of thermodynamics

  • ねつりきがくだいにほうそく〔ダイニハフソク〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

巨視的な現象が一般に不可逆変化であることを主張する法則。この法則は,研究した学者によって,いろいろな表現がされている。 R.クラウジウスは「が移動したという現象のほかには,他になんの変化も残さないで,熱を低温の物体から高温の物体に移す方法はない」と表現し,W.トムソン (ケルビン卿) は「熱源から得た熱を仕事に変えるだけで,他になんの変化も残さないで操作する熱機関は存在しない」といい,また M.プランクは「重いものを持上げ,これに対して熱源を冷却すること以外に,なんの作用もしないで周期的に働く機械をつくることは不可能である」と唱えた。この3つの表現は同等であるが,F.W.オストワルトのように「第二種永久機関をつくることは不可能である」といってもよい。エントロピーの概念を用いれば「孤立系が不可逆変化をする場合は,必ずエントロピーが増大し,可逆変化をする場合だけエントロピーが変らず,エントロピーの減少することは決してない」ということもできる。これをエントロピー増大の原理という。

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化学辞典 第2版の解説

熱力学的系のほかの部分になにも影響を及ぼすことなく,熱が完全に相当する仕事の量に変換されることはないという法則であって,効率が100% の熱機関はありえないと表現されることもある.化学に対する応用としては,この法則にもとづいて,ある化学反応が起こる可能性とその程度について予想するための手がかりが与えられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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