カークパトリック

百科事典マイペディア 「カークパトリック」の意味・わかりやすい解説

カークパトリック

米国のハープシコード奏者。母校ハーバード大学の奨学金を得て渡欧し,パリブーランジェランドフスカに,ロンドンで〈古楽復興の先覚者A.ドルメッチ〔1858-1940〕に師事。1933年にデビューし,1940年以降イェール大学で教えた。D.スカルラッティ研究家としても名高く,その鍵盤(けんばん)楽器用ソナタ分類整理した〈カークパトリック番号〉は,従来のA.ロンゴ〔1864-1945〕による整理番号とともに広く用いられている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カークパトリック」の意味・わかりやすい解説

カークパトリック
Kirkpatrick, Alexander Francis

[生]1849
[没]1940
イギリス国教会の旧約聖書学者。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに学び,同学寮のフェローを経て 1875年司祭となり,1882~1903年ヘブライ語の欽定講座の教授,イリー大聖堂の参事を務めた。聖書注解『ケンブリッジバイブル』を監修し,その『サムエル記』 (2巻) と『詩編』 (3巻) の項を担当主著"The Divine Library of the Old Testament" (1891) ,"The Doctrine of the Prophets" (1892) 。

カークパトリック
Kirkpatrick, Ralph

[生]1911.10.6. マサチューセッツ,レオミンスター
[没]1984.4.13. コネティカット,ギルフォード
アメリカのチェンバロ奏者。ハーバード大学卒業後,1931~33年パリで W.ランドフスカに,イギリスで A.ドルメッチに,ドイツで G.ラミーンに学ぶ。 D.スカルラッティに関する研究で名高く,今日スカルラッティのソナタはカークパトリックの整理番号で呼ばれることが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カークパトリック」の意味・わかりやすい解説

カークパトリック
かーくぱとりっく
Ralph Kirkpatrick
(1911―1984)

アメリカのチェンバロ奏者、音楽学者。ハーバード大学で美術史を専攻し、かたわら音楽も学ぶ。パリでワンダ・ランドフスカにハープシコードを師事、本格的に古楽に取り組み、1933年にベルリンでデビューした。以後、アメリカとヨーロッパで活発な演奏活動を行った。ドメニコ・スカルラッティの研究、楽譜校訂で知られ、その全作品を整理・分類したカークパトリック番号は広く用いられている。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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