ドルメッチ(読み)どるめっち(英語表記)Arnold Dolmetsch

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドルメッチ」の意味・わかりやすい解説

ドルメッチ
どるめっち
Arnold Dolmetsch
(1858―1940)

フランス、スイス、ドイツ、ボヘミアにも先祖をもつイギリスの古楽古楽器研究家。フランスのル・マンに生まれ、ロンドンのロイヤル音楽カレッジに学ぶ。音楽にゆかりの深い家庭環境に育ち、バロック以前の楽譜解読、楽器復原の努力を重ね、妻子親類知己とともに2週間ごとの演奏会を催した。リュートビオールクラビコードハープシコードなどを扱ったばかりか、1926年までにはリコーダーをすべての寸法で整備し、音楽祭で実際に利用した。これが現在多くの国の学校教育や古楽演奏に使われているリコーダーの基礎となった。1929年、研究・演奏の助成を目的としたドルメッチ財団を設立。著書に『17、18世紀の演奏解釈』(1915)がある。

山口 修]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドルメッチ」の意味・わかりやすい解説

ドルメッチ
Dolmetsch, Arnord

[生]1858.2.24. ルマン
[没]1940.2.28. ヘーズルミア
イギリスの古楽器奏者,音楽学者。ブリュッセル音楽院バイオリンを,ロンドン王立音楽院で作曲指揮を学び,バイオリン教師をしていたが,古楽器に興味をいだき,収集修復,製造し,それらの演奏に精力を注いだ。 1916年,ヘーズルミアに古楽器研究のセンターを設立。主著『十七,八世紀の演奏解釈』 The Interpretation of Music of the 17th and 18th Centuries。

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