ドルメッチ(その他表記)Arnold Dolmetsch

改訂新版 世界大百科事典 「ドルメッチ」の意味・わかりやすい解説

ドルメッチ
Arnold Dolmetsch
生没年:1858-1940

イギリス古楽器研究家。第2次世界大戦後バロック期以前の音楽の演奏や研究が一般化するが,彼はその先駆者であり,家族や弟子の協力を得てリコーダーリュート,ビオル,クラビコードハープシコード等々の古楽器の復元・演奏・研究に生涯を捧げた。1929年研究と演奏助成のためのドルメッチ財団設立。またドルメッチ文庫は彼の収集・製作した古楽器のほか,未出版の手稿譜や初期印刷譜を多数含む。著書に《17,18世紀の演奏解釈》(1915。邦訳1966)がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドルメッチ」の意味・わかりやすい解説

ドルメッチ
どるめっち
Arnold Dolmetsch
(1858―1940)

フランス、スイス、ドイツ、ボヘミアにも先祖をもつイギリスの古楽・古楽器研究家。フランスのル・マンに生まれ、ロンドンのロイヤル音楽カレッジに学ぶ。音楽にゆかりの深い家庭環境に育ち、バロック以前の楽譜解読、楽器復原の努力を重ね、妻子親類知己とともに2週間ごとの演奏会を催した。リュート、ビオール、クラビコード、ハープシコードなどを扱ったばかりか、1926年までにはリコーダーをすべての寸法で整備し、音楽祭で実際に利用した。これが現在多くの国の学校教育や古楽演奏に使われているリコーダーの基礎となった。1929年、研究・演奏の助成を目的としたドルメッチ財団を設立。著書に『17、18世紀の演奏解釈』(1915)がある。

山口 修]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドルメッチ」の意味・わかりやすい解説

ドルメッチ
Dolmetsch, Arnord

[生]1858.2.24. ルマン
[没]1940.2.28. ヘーズルミア
イギリスの古楽器奏者,音楽学者。ブリュッセル音楽院バイオリンを,ロンドン王立音楽院で作曲と指揮を学び,バイオリン教師をしていたが,古楽器に興味をいだき,収集,修復,製造し,それらの演奏に精力を注いだ。 1916年,ヘーズルミアに古楽器研究のセンターを設立。主著『十七,八世紀の演奏解釈』 The Interpretation of Music of the 17th and 18th Centuries。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android