ガラゴ(その他表記)galago

デジタル大辞泉 「ガラゴ」の意味・読み・例文・類語

ガラゴ(galago)

ガラゴ科の哺乳類アフリカに分布する原猿類で6種に分類される。→アレンガラゴ

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改訂新版 世界大百科事典 「ガラゴ」の意味・わかりやすい解説

ガラゴ
galago

霊長目ロリス科ガラゴ亜科galaginaeに属する夜行性の原猿類の総称オオガラゴGalago crassicaudatusショウガラゴG.senegalensisなど6種が知られている。サハラ砂漠以南のアフリカ大陸に広く分布している。歯式や後肢の第2指にかぎづめをもつなどの原始的特徴を残す。頭部はまるく,眼と耳が大きい。前肢が短いのに対して,後肢は長く,跳躍力が優れている。頭胴長は,ショウガラゴが15~20cm,オオガラゴが30~35cm程度,尾はそれよりやや長い。

 雑食性,夜行性で,昆虫,小動物,果実樹脂などを食べ,日中は木の穴や草などでつくられた巣の中で眠っている。オオガラゴのように単独で生活する種もあるが,デミドフガラゴG.demidoviiのように数頭の雌が地縁集団を形成するものもある。ホーム・レーンジ内の木などに尿を塗りつけるマーキング行動が広く認められる。雨季乾季がそれぞれ2回ずつ訪れる赤道直下では年2回の出産が見られ,雨季,乾季が年1回交代の南半球では年1回の出産しか認められないという報告がある。妊娠期間は4~5ヵ月,1産に1~2子を生む。ショウガラゴは,ブッシュベビーとも呼ばれ,ペットとして飼育される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガラゴ」の意味・わかりやすい解説

ガラゴ
がらご
galago

哺乳(ほにゅう)綱霊長目ロリス科ガラゴ亜科に属する動物の総称。別名ギャラゴまたはブッシュベービー。この亜科の原猿は1属6種に分類されるが、ハリヅメガラゴGalago elegantulusを別属Euoticusにする見解もある。サハラ砂漠以南のアフリカの大部分(南部を除く)に分布し、多雨林地帯を中心に生息する種(アレンガラゴG. alleniなど)と、疎開林地帯にすむ種(オオガラゴG. crassicaudatusなど)がある。目と耳介が大きく、尾はふさふさとして長い。最小のコビトガラゴG. demidoviiで頭胴長約12センチメートル、尾長約17センチメートル、最大のオオガラゴは頭胴長30~37センチメートル、尾長40~47センチメートル。前肢より後肢が長く、後肢第2指に鉤(かぎ)づめが、ほかの指には平づめがある。夜行性で跳躍力が優れ、樹間を活発に飛び回る。歯式は

で36本。雑食性で、昆虫、果実、樹脂などを食べ、通常は単独行動をするが、雄は雌の行動域を覆うように動く。昼間は木の葉などでつくった巣や、木のうろの中で眠るが、一つ穴に2~6頭がいっしょになる習性をもつもの(ショウガラゴG. senegalensisなど)もある。

[上原重男]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガラゴ」の意味・わかりやすい解説

ガラゴ
Galago senegalensis; galago; bush baby

霊長目ロリス科。ギャラゴとも書く。また,セネガルガラゴ,ショウガラゴ,オナガドウケザル,ブッシュベビーなどともいう。体長 20cm,尾長 15cm内外。体は銀灰色のふさふさした毛におおわれ,眼および耳が大きい。指は長く,扁爪 (ひらづめ) をもち,物にしっかりとつかまることができるようになっている。夜行性で,昼間は樹洞などで眠り,夜間に昆虫類,小鳥などの小動物を捕食し,また果実や樹脂なども食べる。「ちーちー」と聞える高い声で鳴く。アフリカ中南部の熱帯雨林および森林サバナにすむ。なお,ガラゴ亜科 Galaginaeにはオオガラゴ G.crassicaudatus,コビトガラゴ G.demidoffをはじめとする多くの亜種が知られる。

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