日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ガラス繊維強化プラスチック
がらすせんいきょうかぷらすちっく
glass fiber reinforced plastics
GFRP
プラスチックにガラス繊維を混ぜることで強度を改善した複合材料。用いるガラス繊維は髪の毛よりも細く、表面に存在する欠陥が少ないため、板ガラスに比べて強度が高い。一方、プラスチックは、軽量で成形しやすいが、高分子鎖が絡み合った構造を有しており、やわらかく曲がりやすい。そこで、ガラス繊維をプラスチックで混ぜ固めることで、軽量で曲げにくく強度の高いガラス繊維強化プラスチック(GFRP)が開発された。軽くて強い特性を利用し、自動車用部品をはじめ、航空機、宇宙機器、電子基板など、さまざまな用途に用いられている。また、ガラス繊維強化プラスチックは鉄と異なり、さびないため、海洋構造物にも適している。ガラス繊維のかわりにカーボン繊維やアラミド繊維を用いる場合もある。プラスチックのかわりに、セメントやモルタルにガラス繊維を混ぜた強化材も実用化されている。
[伊藤節郎]