キオソーネ(読み)Chiossone,Edoardo

朝日日本歴史人物事典 「キオソーネ」の解説

キオソーネ

没年:明治31.4.11(1898)
生年:1833.1.20
明治期に来日し,造幣にたずさわったお雇いイタリア銅版画家。ジェノバ市近郊に生まれ,同市の美術学校で1847年から55年まで銅版画を学ぶ。卒業後,イタリア国立銀行彫刻師として造幣に従事。明治8(1875)年,明治政府の招きで来日。大蔵省紙幣寮に雇われ,西洋紙幣印刷に用いられる銅版技法を用いて,日本の紙幣,切手,印紙などの原版を制作し,技術指導に当たった。明治天皇画像,西郷隆盛画像なども描く。24年に大蔵省印刷局退職。その後も日本に滞在し,東京死去。日本美術品収集家としても知られる。収集品は遺言によってジェノバに送られ,同市立キオソーネ美術館に収蔵されている。

(山梨絵美子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「キオソーネ」の解説

キオソーネ
Edoardo Chiossone

1833.1.20~98.4.11

キヨソーネとも。イタリアの銅版画家。ジェノバ近郊生れ。ジェノバの美術学校に学ぶ。1875年(明治8)日本政府に招かれ来日。銅版技術を紙幣印刷に活用し,大蔵省紙幣寮に17年間在任して紙幣・切手・印紙などのほか,皇族や政界の重鎮たちのコンテや銅版肖像画も制作した。日本美術への関心も高く,収集品はジェノバのキオソーネ美術館に収蔵。東京で死去。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「キオソーネ」の解説

キオソーネ Chiossone, Edoardo

1832-1898 イタリアの銅版画家。
1832年1月21日生まれ。明治8年(1875)日本政府にまねかれて来日。大蔵省紙幣寮で銅版技術を指導し,紙幣や郵便切手の図案制作と原版彫刻にたずさわる。明治天皇,西郷隆盛,大久保利通(としみち)らの肖像画も制作した。明治31年4月11日東京で死去。66歳。アレンツァノ出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キオソーネ」の意味・わかりやすい解説

キオソーネ
Chiossone, Edoardo

[生]1833. ジェノバ
[没]1898.4.11. 東京
イタリアの銅版彫刻家。 1875年日本の大蔵紙幣寮の招きで東京に移住。各種の紙幣,切手のデザインや制作,銅版彫刻の技術指導を行なった。

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