朝日日本歴史人物事典 「キオソーネ」の解説
キオソーネ
生年:1833.1.20
明治期に来日し,造幣にたずさわったお雇いイタリア人銅版画家。ジェノバ市近郊に生まれ,同市の美術学校で1847年から55年まで銅版画を学ぶ。卒業後,イタリア国立銀行彫刻師として造幣に従事。明治8(1875)年,明治政府の招きで来日。大蔵省紙幣寮に雇われ,西洋の紙幣印刷に用いられる銅版技法を用いて,日本の紙幣,切手,印紙などの原版を制作し,技術指導に当たった。明治天皇画像,西郷隆盛画像なども描く。24年に大蔵省印刷局を退職。その後も日本に滞在し,東京で死去。日本美術品収集家としても知られる。収集品は遺言によってジェノバに送られ,同市立キオソーネ美術館に収蔵されている。
(山梨絵美子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報